多数のアーティストの軽いレビュー
今回は松任谷由美スペシャルということで、今まで松任谷由美で紹介しなかった70年、80年代と90年代の19枚のアルバムを紹介しようと思う。
紹介したユーミンの簡素レビューはこちらに・・・
karonsenpai0912.hatenablog.com
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※追記
全部のアルバムを纏めたものもこちらに貼っておきます。
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単曲と総合評価で分け、評価(C,B,A,S)とし、場合により(+,−)を付ける場合があるのでご了承願いたい。
それでは早速やっていこうと思う。
また、カテゴリーに簡素レビューがあるため、他のが気になる方はそちらへ...
松任谷由美
紅雀
- 9月には帰らない (B+)
- ハルジョオン・ヒメジョオン (B)
- 私なしでも (B)
- 地中海の感傷 (B+)
- 紅雀 (A+)
- 罪と罰 (B)
- 出さない手紙 (B+)
- 白い朝まで (B)
- LAUNDRY-GATEの思い出 (A)
- 残されたもの (B)
【総評】(B)
【コメント】
結婚後、松任谷由美としての初めてのアルバム。結婚後のアルバムのため、おちゃらけハッピーアルバムになると思ったが、その逆をゆく地味な作品。
その後の作品は持ち直すが、この地味さは凄かった。もちろん当時を生きた人ではないから、リアルタイムで聴いた時どうかは分からない。しかし、あの「翳りゆく部屋」や「あの日にかえりたい」を作った人とは今この作品を聞いても思えないだろう。
流線形 '80
- ロッヂで待つクリスマス (A)
- 埠頭を渡る風 (B+)
- 真冬のサーファー (B+)
- 静かなまぼろし (B)
- 魔法のくすり (A+)
- キャサリン (B+)
- Corvett 1954 (B)
- 入江の午後3時 (B+)
- かんらん車 (B)
- 12階のこいびと (B)
【総評】(B+)
【コメント】
地味さが一気に解放されたかのように、後のベスト盤で収録された「魔法のくすり」が入っている少し明るくなったアルバム。結構前半の良さが気に入っており、後半のかったるさがなければ、70年代のユーミンとしては一番好きなアルバムだったかなぁ・・・。
OLIVE
- 未来は霧の中に (B+)
- 青いエアメイル (A+)
- ツバメのように (B+)
- 最後の春休み (B+)
- 甘い予感 (B)
- 帰愁 (A)
- 冷たい雨 (B)
- 風の中の栗毛 (B+)
- 稲妻の少女 (B)
- りんごのにおいと風の国 (B)
【総評】 (B+)
【コメント】
70年代の中では一番時代を反映していると考えられる。「青いエアメイル」は今も尚語り継がれている70年代の松任谷由実の名曲として語り継がれている。
けど、このジャケ写も相まって時代特有の音楽は一番出てるんじゃないかなぁ。
悲しいほどお天気
- ジャコビに彗星の日 (A)
- 影になって (B)
- 緑の町に舞い降りて (A)
- DESTINY (S)
- 丘の上の光 (B)
- 悲しいほどお天気 (B)
- 気ままな朝帰り (B+)
- 水平線にグレナディン (B)
- 78 (B+)
- さまよいの果て波は寄せる (B)
【総評】(A)
【コメント】
ここから松任谷由実の快進撃が始まる・・・と言わんばかりの名曲「DESTINY」が入っているアルバム。
楽曲もポップ寄りに、時に落ち着いたあの頃の荒井由実を思わせる楽曲も入っており一気にユーミンらしさがまた爆誕したと言っても過言では無い。
時のないホテル
- セシルの週末 (A+)
- 時のないホテル (A+)
- Miss Lonely (B)
- 雨に消えたジョガー (B+)
- ためらい (B)
- よそゆき顔で (A)
- 5cmの向う岸 (B)
- コンパートメント (B+)
- 水の影 (S)
【総評】(A)
【コメント】
ポップな前作とは裏腹に一気にどっしと重くなった作風になった。ただ、ユーミンはただ重苦しくするのではなく最後に名曲「水の影」でそこに深みを持たせるのはさすが。
歌詞からも分かるぐらいにいつものユーミンではないが、気にいる曲は必ず見つかる作品となっている。
SURF & SNOW
- 彼から手をひいて (A)
- 灼けたアイドル (B+)
- 人魚になりたい (A)
- まぶしい草野球 (B)
- ワゴンに乗ってでかけよう (B+)
- 恋人がサンタクロース (S)
- シーズンオフの心には (B)
- サーフ天国、スキー天国 (A)
- 恋人と来ないで (B)
- 雪だより (A)
【総評】(A+)
【コメント】
一気にイメージ通りのバブリーポップなミュージックになったユーミン会心の一作。クリスマスを代表する名曲「恋人がサンタクロース」も収録されており、前作の重厚な作品から解き放たれた印象が強い。
ここからユーミンの快進撃が始まった一つの作品である。
水の中のASIAへ
- スラバヤ通りの妹へ (A+)
- HONG KONG NIGHT SIGHT (A)
- 大連幕場 (B+)
- わき役でいいから (A)
【総評】(A)
【コメント】
これをアルバムと言っていいのか今の時代は分からない。ただ、この時代12インチEPといって音が大変に良いものがあった。だからそれを実験的に作ったのだろう。
突出した代表曲があるわけでもなく、短い4曲。だからといって舐めてはいけない。このエキゾチックな要素とこの時代のユーミンのAORが上手に絡み合って1曲1曲の質がとても高い。ここから名曲「守ってあげたい」が生まれたと考えると必要な作品だったと考える。
ALARM a la mode
- Holiday in Acapulco (A)
- ジェラシーと云う名の悪夢 (B+)
- パジャマにレインコート (B)
- 白い服、白い靴 (B)
- 土曜日は大キライ (A)
- ホライズンを追いかけて 〜 L'aventure au desert (B+)
- Autumn Park (A+)
- 20 minutes (B)
- 3-Dのクリスマスカード (B+)
- さよならハリケーン (B+)
【評価】(A)
【コメント】
突出した代表曲的なものもなく、その前後が煌びやかなアルバムとなっているため地味目なアルバム扱いは受けているのは仕方ない。
けれど、アルバムとしての統一感は中々にありユーミンのパブリックイメージを貫きながらも全体として質が落ちていないのは流石。こっからユーミンはバブリーミュージックになっていく為、境目としては必要なアルバムだったのかも。
ダイアモンドダストが消えぬまに
- 月曜日のロボット (B)
- ダイアモンドダストが消えぬまに (A+)
- 思い出に間にあいたくて (B+)
- SWEET DREAMS (A)
- TUXEDO RAIN (B)
- SATURDAY NIGHT ZOMBIES (B+)
- 続 ガールフレンズ (B+)
- ダイアモンドの街角 (B+)
- LATE SUMMER LAKE (A)
- 霧雨で見えない (B+)
【評価】(B+)
【コメント】
シンセサイザーの音が迫力を増し、一気に時代を牽引することになるバブリーなアルバム。名曲「ダイアモンドダストが消えぬまに」が象徴したり「スリラー」を象徴するかのような「SATURDAY~」など。
落ち着きある音楽からここから一気に日本の音楽を牽引することになる。所謂時代性がここで如実に現れ、圧倒的な古さが出てきたのもここだ。
Delight Slight Light KISS
- リフレインが叫んでいる (S+)
- Nobody Else (B)
- ふってあげる (A)
- 誕生日おめでとう (B+)
- Home Townへようこそ (B+)
- とこしえにGood Night(夜明けの色) (B+)
- 恋はNo-return (B)
- 幸せはあなたへの復讐 (B)
- 吹雪の中を (B)
- September blue moon (A)
【総評】(B+)
【コメント】
「リフレインが叫んでいる」の圧倒的な知名度と共にここからミリオンセラーを次々に出すことになる。とはいえ、ここまでまだアルバムアーティストというイメージが強かったのはスゲェと単純に思うしかない。
アルバムとしてはユーミンの声が何故か無機質に感じるように聞こえてしまい、ブラスサウンドが入っている曲でもその無機質さが顕著に伝わるようになってしまった。寧ろここら辺の時代のアルバムは基本そうだったからこそ、本当に時代を牽引してるんだなと思うしかない。
LOVE WARS
- Valentine's RADIO (A+)
- WANDERERS (B+)
- LOVE WARS (B+)
- 心ほどいて (A)
- Uptownは灯ともし頃 (B)
- トランキライザー (B)
- ホームワーク (B+)
- 届かないセレナーデ (B)
- Good-bye Goes by (B)
- ANNIVERSARY (S+)
【総評】(B+)
【コメント】
80年代最後の名曲「ANNIVERSARY」が最後に収録されてることにより、アルバムの質がグッと高まった本作。
やはり時代というのが強く、シンセが曲単体でも占める割合が高くなってきた。前述もしてるが、それでも最後に「ANNIVERSARY」が入るとそんなのも関係なくなる。スキマスイッチの「奏(かなで)」のような立ち位置なんだろうなと思う。
天国のドア
- MISS BROADCAST (A)
- 時はかげろう (B+)
- Aはここにある (B)
- 満月のフォーチュン (A)
- Glory Birdland (A+)
- ホタルと流れ星 (B)
- Man In The Moon (B+)
- 残暑 (S)
- 天国のドア (A)
- SAVE OUR SHIP (A)
【総評】(A)
【コメント】
長年リマスターされてなく音が強烈にショボかったが、サブスク配信を機にこの作品もリマスターされることに。
シングルなしのアルバムのため、この作品自体が一つになっている。だからか際立って突出した曲がないというのが特徴的か。それでも「残暑」などはたまに聴きたくなる一曲ではある。
DAWN PURPLE
- Happy Birthday to You ~ ヴィーナスの誕生 (A+)
- 情熱に届かない ~ Don't Let Me Go (B)
- 遠雷 (S)
- DAWN PURPLE (A)
- インカの花嫁 (B)
- 千一夜物語 (B)
- 誰かがあなたを探してる (B+)
- タイム リミット (B)
- サンド キャッスル (A)
- 9月の蝉しぐれ (B+)
【総評】(A)
【コメント】
ここら辺はユーミン無双だったはずだが、それに似合わない落ち着きのあるサウンドが展開されている。
バブリーミュージックの流れが落ち着いたのかどうかは分からないが、アラフォーになったことにより深みが徐々に出てきたのか生音も意識するように。これぞ名曲みたいな曲は序盤ぐらいにしかないが、90年代のアルバムとしてはこれぐらいの落ち着きが妙に心地よい。
TEARS AND REASONS
- 無限の中の一度 (A)
- サファイアの9月の彼方 (A)
- 瞳はどしゃ降り (B+)
- ミラクル (B+)
- Misty China Town (B)
- 私らしく (A)
- 冬の終り (S+)
- So high (B+)
- 恋の一時間は孤独の千年 (B)
- Carry on (B)
【総評】(A)
【コメント】
シングルなしで続いたアルバム3作。それだけでも圧倒的なセールスを記録したユーミンはやっぱ最強やなぁと思うしかない。
このアルバムの中だったら圧倒的に「冬の終り」が突出した名曲だと感じる。aikoもこの曲が好きだと言っていたしドラマ主題歌にもなっていたので、代表するベスト盤2作に入ってもおかしくないのになぁとは思う。
U-miz
- 自由への翼 (A)
- HOZHO GOH(ホジョンゴ) (B)
- 真夏の夜の夢 (S)
- この愛にふりむいて (B+)
- XYZING XYZING (B)
- 11月のエイプリルフール (A)
- 只今最前線突破中 (B+)
- Angel Cryin' X'mas (A)
- July (B)
- 二人のパイレーツ (B)
【総評】(B+)
【コメント】
テーマがサイケデリックのため、その要素が強く出ているアルバムと思えば案外そうではないアルバム。何かそういう感じはやってそうだなとは思う。
やはり「真夏の夜の夢」のインパクトが強すぎて他の曲のインパクトが少し薄いのも難点だったのか。久しぶりのシングルヒット且つ異色の曲だったから混乱をしたのか。
KATHMANDU
- KATHMANDU (A)
- Take me home (B+)
- 命の花 (A)
- Baby Pink (B+)
- Delphine (B+)
- 輪舞曲(ロンド) (A+)
- Broken Barricade (A)
- Midnight Scarecrow (A)
- クロームの太陽 (B+)
- Walk on, Walk on by (B)
- Weaver of Love ~ ORIHIME (B+)
【総評】(A+)
【コメント】
前作の「THE DANCING SUN」の王道の輝きから普通は大抵年齢的な観点からも失速しがち。しかし、こっからのユーミンは音楽の攻めが凄い。そのことが伝わる本作。
とにかく、「ここではないどこか」というテーマに即しているように異国情緒な曲が次々と並び飽きさせない。ヒット曲の「輪舞曲」もありトータルで見ても大満足な一作。寧ろここで売り上げ的にもギリギリだったことから、ユーミンの一強という時代は終わったんだろうなと、売り上げだけを見たらそう思うしかない。
Cowgirl Dreamin'
- ありのままを抱きしめて (B)
- Cowgirl Blues (A+)
- 告白 (B+)
- Moonlight Legend (B)
- 別れのビギン (B)
- 忘れかけたあなたへのメリークリスマス (B)
- Midnight Train (B+)
- 最後の嘘 (A)
- Called Game (B+)
- まちぶせ - 荒井由実 (A)
【総評】 (B+)
【コメント】
これ90年代後半のジャケ写か・・・?と思うほどのあの頃のバブリー感。それは多分リアルタイムでも感じ取れただろう。
「告白」のシングルから一気に売り上げが減少し、本当に時代の人ではなくなったんだろうなと思うしかない。けれど、音楽としては色々な方向性をやったりと音楽の攻めは衰えてない。けれどこの売り上げ減を見たら迷走していると見られてもしょうがないのかなぁ・・・。
スユアの波
- セイレーン (B+)
- Sunny day Holiday (A)
- 夢の中で ~ We are not alone, forever (B)
- きみなき世界 (B)
- パーティーへ行こう (A)
- 人生ほど素敵なショーはない (A)
- 結婚式をブッ飛ばせ (B+)
- 時のカンツォーネ (S)
- Woman (A)
- Saint of Love (B+)
【総評】(A)
【コメント】
ユーミンのパブリックイメージが復活してきた本作。「時をかける少女」の歌詞をそのまま引用しメロディーを変えた「時のカンツォーネ」やドラマ「成田離婚」の主題歌でもある「Sunny day Holiday」など楽曲は充実。
ただ、この頃のパブリックイメージから時代はR&BやらGLAYやラルクなどのビジュアルロックバンドが大流行りしたなど、時代から取り残されたというイメージが付いてしまった。
でも、この安心感は時代錯誤がなく寧ろ楽曲面で見ても「取り戻した」というイメージが付くだろう。時代って恐ろしい・・・。
Frozen Roses
- Now Is On (A)
- 恋は死んでしまった (A)
- 巻き戻して思い出を (B+)
- Raga#3 (B)
- Blue Rain Blue (B)
- Spinning Wheel (B+)
- Josephine (B+)
- Sweet Surrender (B+)
- 8月の日時計 (A)
- Lost Highway (A)
- 流星の夜 (B)
【総評】(B+)
【コメント】
ベスト盤明けのユーミンは結構のんびりしているというか、落ち着きがあるというか結構メロディーはこざっぱりしている印象。
けれどアレンジャーの松任谷正隆は結構様々な事にチャレンジしており、音楽の攻めというよりかはアレンジの攻めがキレッキレ。R&Bやラップを入れたり、リズムはジャングルになってたりと結構聴き込むと面白い楽曲は多い。
ベスト盤明けということもあり、過渡期の印象なのか。ユーミンの音楽の攻めは次の作品から面白い。
【まとめ】
今回はユーミンスペシャルということで19枚のアルバムを紹介しまくった。改めてユーミンを聴き、ユーミンは全てのポップの道に通じてるなと感じた。というかここまで突き詰めても、まだ最新作のアルバムでの音楽の攻めは崩してないというのが末恐ろしい。
次回、ユーミンスペシャルをするときは「深海の街」までの全てのオリジナルアルバムを紹介しようと思う。
ということで、また次の記事で。。。