完全版
ということで、ユーミンの全アルバムを超絶簡素にレビューした全てのアルバムをここに載せたいと思う。
単曲と総合評価で分け、評価(C,B,A,S)とし、場合により(+,−)を付ける場合があるのでご了承願いたい。
それでは早速やっていこうと思う。
また、カテゴリーに簡素レビューがあるため、他のが気になる方はそちらへ...
- 完全版
- 荒井由実
- 松任谷由美
- 紅雀
- 流線形 '80
- OLIVE
- 悲しいほどお天気
- 時のないホテル
- SURF & SNOW
- 水の中のASIAへ
- 昨晩お会いしましょう
- PEARL PIERCE
- REINCARNATION
- VOYAGER
- NO SIDE
- DA・DI・DA
- ALARM a la mode
- ダイアモンドダストが消えぬまに
- Delight Slight Light KISS
- LOVE WARS
- 天国のドア
- DAWN PURPLE
- TEARS AND REASONS
- U-miz
- THE DANCING SUN
- KATHMANDU
- Cowgirl Dreamin'
- スユアの波
- Frozen Roses
- acacia[アケイシャ]
- Wings of Winter, Shades of Summer
- Yuming Compositions: FACES
- VIVA! 6×7
- A GIRL IN SUMMER
- そしてもう一度夢見るだろう
- Road Show
- POP CLASSICO
- 宇宙図書館
- 深海の街
- ユーミン乾杯!!~松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム~
荒井由実
ひこうき雲
- ひこうき雲(S)
- 曇り空 (B+)
- 恋のスーパーパラシューター (A)
- 空と海の輝きに向けて (B)
- きっと言える (A)
- ベルベット・イースター (A+)
- 紙ヒコーキ (A)
- 雨の街を (A+)
- 返事はいらない (A)
- そのまま (B)
- ひこうき雲 (省略)
【総評】(S)
【コメント】
初期の荒井由実の独特な素朴感。そして今も通じる サウンド。そして初期にしてはどこか達観したような作品。どれもこれも奇跡と言っていいような名盤。確かにこれは音楽通でも唸ってしまうだろう。
MISSLIM
- 生まれた街で (B+)
- 瞳を閉じて (A+)
- やさしさに包まれたなら(S+)
- 海を見ていた午後 (A)
- 12月の雨 (A)
- あなただけのもの (B)
- 魔法の鏡 (B+)
- たぶんあなたはもうむかえに来ない (B)
- 私のフランソワーズ (A+)
- 旅立つ秋 (B)
【総評】(A+)
【コメント】
今も何十年もアレンジが変わらずに受け継がれている やさしさに包まれたならのアルバムバージョンがここで既に登場してる時点で本当にこの人は凄いと思わせられる。
COBALT HOUR
- COBALTHOUR (B)
- 卒業写真 (S)
- 花紀行 (B+)
- 何もきかないで (B)
- ルージュの伝言 (S)
- 航海日誌 (B+)
- CHINISE SOUP (A+)
- 少しだけ片思い (A)
- 雨のステイション (A+)
- アフリカへ行きたい (B)
【総評】(A+)
【コメント】
この初期3作は本当にどれも良い。この3作のどれが好きかは人それぞれだろう。その位に本当にどれも良いのだ。是非とも 荒井由実の初期3作。これだけは聞いてほしい。
14番目の月
- さざ波 (B)
- 14番目の月 (A)
- さみしさのゆくえ (B+)
- 朝陽の中で微笑んで (B)
- 中央フリーウェイ (S)
- 何もなかったように (B+)
- 天気雨 (B+)
- 避暑地の出来事 (A)
- グット・ラック・アンド・グッドバイ (B)
- 晩夏(ひとりの季節) (B+)
【総評】(A)
【コメント】
荒井由実最後の作品。以前のような素朴感あるバンドサウンドは少しなくなり、今のようなホーンやストリングスも追加し サウンドが一気に厚みが出た。
所謂、荒井由実と松任谷由美のちょうど中間を行くような作品。
松任谷由美
紅雀
- 9月には帰らない (B+)
- ハルジョオン・ヒメジョオン (B)
- 私なしでも (B)
- 地中海の感傷 (B+)
- 紅雀 (A+)
- 罪と罰 (B)
- 出さない手紙 (B+)
- 白い朝まで (B)
- LAUNDRY-GATEの思い出 (A)
- 残されたもの (B)
【総評】(B)
【コメント】
結婚後、松任谷由美としての初めてのアルバム。結婚後のアルバムのため、おちゃらけハッピーアルバムになると思ったが、その逆をゆく地味な作品。
その後の作品は持ち直すが、この地味さは凄かった。もちろん当時を生きた人ではないから、リアルタイムで聴いた時どうかは分からない。しかし、あの「翳りゆく部屋」や「あの日にかえりたい」を作った人とは今この作品を聞いても思えないだろう。
流線形 '80
- ロッヂで待つクリスマス (A)
- 埠頭を渡る風 (A)
- 真冬のサーファー (B+)
- 静かなまぼろし (B)
- 魔法のくすり (A+)
- キャサリン (B+)
- Corvett 1954 (B)
- 入江の午後3時 (B+)
- かんらん車 (B)
- 12階のこいびと (B)
【総評】(B+)
【コメント】
地味さが一気に解放されたかのように、後のベスト盤で収録された「魔法のくすり」が入っている少し明るくなったアルバム。結構前半の良さが気に入っており、後半のかったるさがなければ、70年代のユーミンとしては一番好きなアルバムだったかなぁ・・・。
OLIVE
- 未来は霧の中に (B+)
- 青いエアメイル (A+)
- ツバメのように (B+)
- 最後の春休み (B+)
- 甘い予感 (B)
- 帰愁 (A)
- 冷たい雨 (B)
- 風の中の栗毛 (B+)
- 稲妻の少女 (B)
- りんごのにおいと風の国 (B)
【総評】 (B+)
【コメント】
70年代の中では一番時代を反映していると考えられる。「青いエアメイル」は今も尚語り継がれている70年代の松任谷由実の名曲として語り継がれている。
けど、このジャケ写も相まって時代特有の音楽は一番出てるんじゃないかなぁ。
悲しいほどお天気
- ジャコビに彗星の日 (A)
- 影になって (B)
- 緑の町に舞い降りて (A)
- DESTINY (S)
- 丘の上の光 (B)
- 悲しいほどお天気 (B)
- 気ままな朝帰り (B+)
- 水平線にグレナディン (B)
- 78 (B+)
- さまよいの果て波は寄せる (B)
【総評】(A)
【コメント】
ここから松任谷由実の快進撃が始まる・・・と言わんばかりの名曲「DESTINY」が入っているアルバム。
楽曲もポップ寄りに、時に落ち着いたあの頃の荒井由実を思わせる楽曲も入っており一気にユーミンらしさがまた爆誕したと言っても過言では無い。
時のないホテル
- セシルの週末 (A+)
- 時のないホテル (A+)
- Miss Lonely (B)
- 雨に消えたジョガー (B+)
- ためらい (B)
- よそゆき顔で (A)
- 5cmの向う岸 (B)
- コンパートメント (B+)
- 水の影 (S)
【総評】(A)
【コメント】
ポップな前作とは裏腹に一気にどっしと重くなった作風になった。ただ、ユーミンはただ重苦しくするのではなく最後に名曲「水の影」でそこに深みを持たせるのはさすが。
歌詞からも分かるぐらいにいつものユーミンではないが、気にいる曲は必ず見つかる作品となっている。
SURF & SNOW
- 彼から手をひいて (A)
- 灼けたアイドル (B+)
- 人魚になりたい (A)
- まぶしい草野球 (B)
- ワゴンに乗ってでかけよう (B+)
- 恋人がサンタクロース (S)
- シーズンオフの心には (B)
- サーフ天国、スキー天国 (A)
- 恋人と来ないで (B)
- 雪だより (A)
【総評】(A+)
【コメント】
一気にイメージ通りのバブリーポップなミュージックになったユーミン会心の一作。クリスマスを代表する名曲「恋人がサンタクロース」も収録されており、前作の重厚な作品から解き放たれた印象が強い。
ここからユーミンの快進撃が始まった一つの作品である。
水の中のASIAへ
- スラバヤ通りの妹へ (A+)
- HONG KONG NIGHT SIGHT (A)
- 大連幕場 (B+)
- わき役でいいから (A)
【総評】(A)
【コメント】
これをアルバムと言っていいのか今の時代は分からない。ただ、この時代12インチEPといって音が大変に良いものがあった。だからそれを実験的に作ったのだろう。
突出した代表曲があるわけでもなく、短い4曲。だからといって舐めてはいけない。このエキゾチックな要素とこの時代のユーミンのAORが上手に絡み合って1曲1曲の質がとても高い。ここから名曲「守ってあげたい」が生まれたと考えると必要な作品だったと考える。
昨晩お会いしましょう
- タワー・サイド・ストーリー (A)
- 街角のペシミスト (A+)
- ビュッフェにて (A)
- 夕闇をひとり (A+)
- 守ってあげたい (S)
- カンナ8号線 (S)
- 手のひらの東京タワー (B+)
- グレイス・スリックの肖像 (A)
- グループ (S)
- A HAPPY NEW YEAR (A+)
【総評】(S+)
【コメント】
個人的最高傑作。守ってあげたい最上級の暖かさと、その中に確かな寂しさがある。荒井由実の頃から成長しながらも確かな孤独を感じていた圧倒的名盤。
PEARL PIERCE
- ようこそ輝く時間へ (B+)
- 真珠のピアス (S)
- ランチタイムが終わる頃 (S)
- フォーカス (A)
- 夕涼み (B+)
- 私のロンサム・タウン (A)
- DANG DANG (A+)
- 昔の彼に会うのなら (B+)
- 消息 (B)
- 忘れないでね (B)
【総評】(A+)
【コメント】
AORテイスト含まれるユーミンの声がホントに心地よい。OLとかユーミンは多分分かんないとは思うが、よく歌詞はカフェやレストランで聞いたものをテーマにしていると言っているので目線が合うのだろう。
REINCARNATION
- REINCARNATION (A)
- オールマイティー (A+)
- NIGHT WALKER (A)
- 星空の誘惑 (S)
- 川景色 (B+)
- ESPER (B)
- 心のまま (B)
- ずっとそばに (B)
- ハートはもうつぶやかない (A)
- 経る時 (A)
【総評】(A+)
【コメント】
前作の大人びたユーミンから一新して、ここから音楽ムーブを席巻するが如くポップな作品が並んでて気持ちがいい。特に最初の部分がもはやクライマックス級。
VOYAGER
- ガールフレンズ (A)
- 結婚ルーレット (B+)
- ダンテライオン ~ 遅咲きのたんぽぽ (A+)
- 青い船で (A)
- 不思議な体験 (B+)
- ハートブレイク (A+)
- TYPHOON (B)
- TROPIC OF CAPRICORN (A)
- 私を忘れる頃 (A)
- 時をかける少女 (S)
【総評】(A+)
【コメント】
今やユーミンの代表曲の1つである「時をかける少女」が入っている作品としても非常に良い。80年代前半の作品の中だったらこの作品が一番音楽の質が高くどれも良い。
NO SIDE
- SALAAM MOUSOON SALAAM AFRIQUE (A)
- ノーサイド (S+)
- DOWNTOWN BOY (A)
- BLIZZARD (S)
- 一緒に暮らそう (B)
- 破れた恋の繕し方教えます (B)
- 午前4時の電話 (A)
- 木枯らしのダイアリー (B+)
- SHANGRILAをめざせ (A+)
- ~ノーサイド・夏~ 空耳のホイッスル (B)
【総評】(S)
【コメント】
「昨晩お会いしましょう」の次に好きな80年代ユーミンの作品。シンセが目立ってきたのはここからだが、使い方が本当に絶品。90年代のシンセサウンドもこれぐらいが丁度良かったんだけどなぁ・・・。
DA・DI・DA
- もう愛は始まらない (A+)
- 2人のストリート (B+)
- BABYLON (A)
- SUGAR TOWNはさよならの町 (B+)
- メトロポリの片隅で (B+)
- 月夜のロケット花火 (B)
- シンデレラ・エクスプレス (A+)
- 青春のリグレット (S)
- たとえあなたが去って行っても (B)
【総評】(A+)
【コメント】
80年代前半のユーミンはどれも良いなぁ・・・。荒井由実時期の初期3作に似ている雰囲気がある。そこから音楽の時代も牽引することになるので、時代性が凄すぎるので時代にあまり左右されない80年代前半が好きだなぁ。
ALARM a la mode
- Holiday in Acapulco (A)
- ジェラシーと云う名の悪夢 (B+)
- パジャマにレインコート (B)
- 白い服、白い靴 (B)
- 土曜日は大キライ (A)
- ホライズンを追いかけて 〜 L'aventure au desert (B+)
- Autumn Park (A+)
- 20 minutes (B)
- 3-Dのクリスマスカード (B+)
- さよならハリケーン (B+)
【評価】(A)
【コメント】
突出した代表曲的なものもなく、その前後が煌びやかなアルバムとなっているため地味目なアルバム扱いは受けているのは仕方ない。
けれど、アルバムとしての統一感は中々にありユーミンのパブリックイメージを貫きながらも全体として質が落ちていないのは流石。こっからユーミンはバブリーミュージックになっていく為、境目としては必要なアルバムだったのかも。
ダイアモンドダストが消えぬまに
- 月曜日のロボット (B)
- ダイアモンドダストが消えぬまに (A+)
- 思い出に間にあいたくて (B+)
- SWEET DREAMS (A)
- TUXEDO RAIN (B)
- SATURDAY NIGHT ZOMBIES (B+)
- 続 ガールフレンズ (B+)
- ダイアモンドの街角 (B+)
- LATE SUMMER LAKE (A)
- 霧雨で見えない (B+)
【評価】(B+)
【コメント】
シンセサイザーの音が迫力を増し、一気に時代を牽引することになるバブリーなアルバム。名曲「ダイアモンドダストが消えぬまに」が象徴したり「スリラー」を象徴するかのような「SATURDAY~」など。
落ち着きある音楽からここから一気に日本の音楽を牽引することになる。所謂時代性がここで如実に現れ、圧倒的な古さが出てきたのもここだ。
Delight Slight Light KISS
- リフレインが叫んでいる (S+)
- Nobody Else (B)
- ふってあげる (A)
- 誕生日おめでとう (B+)
- Home Townへようこそ (B+)
- とこしえにGood Night(夜明けの色) (B+)
- 恋はNo-return (B)
- 幸せはあなたへの復讐 (B)
- 吹雪の中を (B)
- September blue moon (A)
【総評】(B+)
【コメント】
「リフレインが叫んでいる」の圧倒的な知名度と共にここからミリオンセラーを次々に出すことになる。とはいえ、ここまでまだアルバムアーティストというイメージが強かったのはスゲェと単純に思うしかない。
アルバムとしてはユーミンの声が何故か無機質に感じるように聞こえてしまい、ブラスサウンドが入っている曲でもその無機質さが顕著に伝わるようになってしまった。寧ろここら辺の時代のアルバムは基本そうだったからこそ、本当に時代を牽引してるんだなと思うしかない。
LOVE WARS
- Valentine's RADIO (A+)
- WANDERERS (B+)
- LOVE WARS (B+)
- 心ほどいて (A)
- Uptownは灯ともし頃 (B)
- トランキライザー (B)
- ホームワーク (B+)
- 届かないセレナーデ (B)
- Good-bye Goes by (B)
- ANNIVERSARY (S+)
【総評】(B+)
【コメント】
80年代最後の名曲「ANNIVERSARY」が最後に収録されてることにより、アルバムの質がグッと高まった本作。
やはり時代というのが強く、シンセが曲単体でも占める割合が高くなってきた。前述もしてるが、それでも最後に「ANNIVERSARY」が入るとそんなのも関係なくなる。スキマスイッチの「奏(かなで)」のような立ち位置なんだろうなと思う。
天国のドア
- MISS BROADCAST (A)
- 時はかげろう (B+)
- Aはここにある (B)
- 満月のフォーチュン (A)
- Glory Birdland (A+)
- ホタルと流れ星 (B)
- Man In The Moon (B+)
- 残暑 (S)
- 天国のドア (A)
- SAVE OUR SHIP (A)
【総評】(A)
【コメント】
長年リマスターされてなく音が強烈にショボかったが、サブスク配信を機にこの作品もリマスターされることに。
シングルなしのアルバムのため、この作品自体が一つになっている。だからか際立って突出した曲がないというのが特徴的か。それでも「残暑」などはたまに聴きたくなる一曲ではある。
DAWN PURPLE
- Happy Birthday to You ~ ヴィーナスの誕生 (A+)
- 情熱に届かない ~ Don't Let Me Go (B)
- 遠雷 (S)
- DAWN PURPLE (A)
- インカの花嫁 (B)
- 千一夜物語 (B)
- 誰かがあなたを探してる (B+)
- タイム リミット (B)
- サンド キャッスル (A)
- 9月の蝉しぐれ (B+)
【総評】(A)
【コメント】
ここら辺はユーミン無双だったはずだが、それに似合わない落ち着きのあるサウンドが展開されている。
バブリーミュージックの流れが落ち着いたのかどうかは分からないが、アラフォーになったことにより深みが徐々に出てきたのか生音も意識するように。これぞ名曲みたいな曲は序盤ぐらいにしかないが、90年代のアルバムとしてはこれぐらいの落ち着きが妙に心地よい。
TEARS AND REASONS
- 無限の中の一度 (A)
- サファイアの9月の彼方 (A)
- 瞳はどしゃ降り (B+)
- ミラクル (B+)
- Misty China Town (B)
- 私らしく (A)
- 冬の終り (S+)
- So high (B+)
- 恋の一時間は孤独の千年 (B)
- Carry on (B)
【総評】(A)
【コメント】
シングルなしで続いたアルバム3作。それだけでも圧倒的なセールスを記録したユーミンはやっぱ最強やなぁと思うしかない。
このアルバムの中だったら圧倒的に「冬の終り」が突出した名曲だと感じる。aikoもこの曲が好きだと言っていたしドラマ主題歌にもなっていたので、代表するベスト盤2作に入ってもおかしくないのになぁとは思う。
U-miz
- 自由への翼 (A)
- HOZHO GOH(ホジョンゴ) (B)
- 真夏の夜の夢 (S)
- この愛にふりむいて (B+)
- XYZING XYZING (B)
- 11月のエイプリルフール (A)
- 只今最前線突破中 (B+)
- Angel Cryin' X'mas (A)
- July (B)
- 二人のパイレーツ (B)
【総評】(B+)
【コメント】
テーマがサイケデリックのため、その要素が強く出ているアルバムと思えば案外そうではないアルバム。何かそういう感じはやってそうだなとは思う。
やはり「真夏の夜の夢」のインパクトが強すぎて他の曲のインパクトが少し薄いのも難点だったのか。久しぶりのシングルヒット且つ異色の曲だったから混乱をしたのか。
THE DANCING SUN
- Sing of the Time (A)
- 砂の惑星 (B)
- Good-bye friend (A)
- Bye bye boy (A)
- GET AWAY (A)
- Hello,my friend (S+)
- RIVER (S)
- Lonesome Cowboy (B)
- Oh Juliet (B)
- 春よ、来い (S+)
【総評】(S)
【コメント】
90年代の名盤且つ、王道の名曲が詰まったアルバム。松任谷海の全力が投球された作品。王道性を出しながらも現代のサイケ的雰囲気を纏った不思議な感覚に陥るのは最後の『春よ、来い』にあると考える
KATHMANDU
- KATHMANDU (A)
- Take me home (B+)
- 命の花 (A)
- Baby Pink (B+)
- Delphine (B+)
- 輪舞曲(ロンド) (A+)
- Broken Barricade (A)
- Midnight Scarecrow (A)
- クロームの太陽 (B+)
- Walk on, Walk on by (B)
- Weaver of Love ~ ORIHIME (B+)
【総評】(A+)
【コメント】
前作の「THE DANCING SUN」の王道の輝きから普通は大抵年齢的な観点からも失速しがち。しかし、こっからのユーミンは音楽の攻めが凄い。そのことが伝わる本作。
とにかく、「ここではないどこか」というテーマに即しているように異国情緒な曲が次々と並び飽きさせない。ヒット曲の「輪舞曲」もありトータルで見ても大満足な一作。寧ろここで売り上げ的にもギリギリだったことから、ユーミンの一強という時代は終わったんだろうなと、売り上げだけを見たらそう思うしかない。
Cowgirl Dreamin'
- ありのままを抱きしめて (B)
- Cowgirl Blues (A+)
- 告白 (B+)
- Moonlight Legend (B)
- 別れのビギン (B)
- 忘れかけたあなたへのメリークリスマス (B)
- Midnight Train (B+)
- 最後の嘘 (A)
- Called Game (B+)
- まちぶせ - 荒井由実 (A)
【総評】 (B+)
【コメント】
これ90年代後半のジャケ写か・・・?と思うほどのあの頃のバブリー感。それは多分リアルタイムでも感じ取れただろう。
「告白」のシングルから一気に売り上げが減少し、本当に時代の人ではなくなったんだろうなと思うしかない。けれど、音楽としては色々な方向性をやったりと音楽の攻めは衰えてない。けれどこの売り上げ減を見たら迷走していると見られてもしょうがないのかなぁ・・・。
スユアの波
- セイレーン (B+)
- Sunny day Holiday (A)
- 夢の中で ~ We are not alone, forever (B)
- きみなき世界 (B)
- パーティーへ行こう (A)
- 人生ほど素敵なショーはない (A)
- 結婚式をブッ飛ばせ (B+)
- 時のカンツォーネ (S)
- Woman (A)
- Saint of Love (B+)
【総評】(A)
【コメント】
ユーミンのパブリックイメージが復活してきた本作。「時をかける少女」の歌詞をそのまま引用しメロディーを変えた「時のカンツォーネ」やドラマ「成田離婚」の主題歌でもある「Sunny day Holiday」など楽曲は充実。
ただ、この頃のパブリックイメージから時代はR&BやらGLAYやラルクなどのビジュアルロックバンドが大流行りしたなど、時代から取り残されたというイメージが付いてしまった。
でも、この安心感は時代錯誤がなく寧ろ楽曲面で見ても「取り戻した」というイメージが付くだろう。時代って恐ろしい・・・。
Frozen Roses
- Now Is On (A)
- 恋は死んでしまった (A)
- 巻き戻して思い出を (B+)
- Raga#3 (B)
- Blue Rain Blue (B)
- Spinning Wheel (B+)
- Josephine (B+)
- Sweet Surrender (B+)
- 8月の日時計 (A)
- Lost Highway (A)
- 流星の夜 (B)
【総評】(B+)
【コメント】
ベスト盤明けのユーミンは結構のんびりしているというか、落ち着きがあるというか結構メロディーはこざっぱりしている印象。
けれどアレンジャーの松任谷正隆は結構様々な事にチャレンジしており、音楽の攻めというよりかはアレンジの攻めがキレッキレ。R&Bやラップを入れたり、リズムはジャングルになってたりと結構聴き込むと面白い楽曲は多い。
ベスト盤明けということもあり、過渡期の印象なのか。ユーミンの音楽の攻めは次の作品から面白い。
acacia[アケイシャ]
- Age of innocence (B+)
- 哀しみをください (A)
- 110°F (B)
- リアリティ (B)
- MIDNIGHT RUN (A)
- acacia[アカシア] (S)
- Summer Junction (B)
- TWINS (A)
- Song For Bride (A)
- Lundi (B+)
- So long long ago (B)
- 幸せになるために (B+)
- 7 TRUTHS 7 LIES ~ ヴァージンロードの彼方で (A+)
- PARTNERSHIP [after] (A)
【総評】(A)
【コメント】
タイアップ時期にリアルで音楽から離れていたため、全く触れてこなかった。しかし、当時はまるで呪いのようにヒットしなかった。
音楽としてはこれ以上ないぐらいユーミンの中では傑作。先述で何回も言っているが音楽の攻めは面白い。期待を確実に応えてくれる。
Wings of Winter, Shades of Summer
- Bonne annee (B+)
- Wings of Winter (B)
- Northern Lights (B+)
- ただわけもなく (A)
- Rodeo (A)
- 雪月花 (S)
- Painting the sea (B)
【総評】 (A)
【コメント】
『SURF & SNOW』の次作として作られたが、不景気の風に追いやられ頓挫。しかしその作品の次作として受け取られたために、地味な作品として浸透していた。(リアルタイムではないものの、当時子供ながらでもユーミンの名前は聞かなくなっていた。)
だが、この落ち着きが妙に心地よく、シングルカットされた『雪月花』は名曲。どれもメロディーはトップクラス。今の時代や前だったら間違いなく評価されていたはずだ。
Yuming Compositions: FACES
- オーシャン・ブルー - ocean version (A)
- 日付変更線 (B)
- 雨音はショパンの調べ (A+)
- 瞳はダイアモンド (A)
- あの頃のまま (B)
- 「いちご白書」をもう一度 (B+)
- Woman "Wの悲劇" より (B)
- やさしさに包まれたなら (A+)
- 星のクライマー (S)
- ベルベット・イースター - beyond 30years (A)
【総評】(A)
【コメント】
セルフカバー集。荒井由実や呉田軽穂時代の音楽などで、無論だが完成度は高い。今回はセルフカバーとしてどうだったかを単曲で評価した。
個人的にはちょっと期待していた分『Woman "Wの悲劇" より』はちょいと残念だったかなと。アレンジが松任谷正隆ではなかったのも原因なのかと考えられる。
VIVA! 6×7
- -prologue- (省略)
- 太陽の逃亡者 (A)
- 恋の苦さとため息と (B+)
- Choco-language (B+)
- 水槽のJellyfish (B)
- 灯りを探して (B+)
- 永遠が見える日 (B+)
- Summertime (B)
- ひまわりがある風景 (A+)
- Invisivle Strings (B)
- 霧の中の影 (A)
【総評】(A)
【コメント】
夏のゴージャス感を味わえるアルバム。ORIGINAL LOVEの田島貴男とのデュエットなどトピックはあるが全体的にはゴージャスと言えども地味。しかし、新しいことをしているよりもずっと、こっちの方が安定感があるのは事実であり、寧ろ確かな復調である。
A GIRL IN SUMMER
- Blue Planet (B+)
- 海に来て (A+)
- 哀しみのルート16 (B+)
- もうここには何もない (B+)
- あなたに届くように (B)
- Many is the time (B+)
- 虹の下のどしゃ降りで (A+)
- Escape (A)
- Forgiveness (B+)
- ついてゆくわ (A)
- 時空のダンス (B+)
- Smile Again - Yuming Version (A)
【総評】(A+)
【コメント】
曇天でまるで孤独さえも感じてしまうような圧倒的な切なさ。明るい曲もあるが、それでも何故か切なくなってしまうのは最初と最後らへんに置いてある『海にきて』と『時空のダンス』がそうさせてしまうからなのかもしれない。
夏の孤独を描いた作品としてこれ以上ないし、2000年代のユーミンのアルバムとして一番好きなアルバム。夏になると聴くアルバムだ。
そしてもう一度夢見るだろう
- ピカデリー・サーカス (B+)
- まずはどこへ行こう (B+)
- ハートの落書き. (A)
- Flying Messenger (B)
- 黄色いロールスロイス (A)
- Bueno Adios (B+)
- Judan Kiss (A)
- Dangerous tonight (B+)
- 夜空でつながっている (B)
- 人魚姫の夢 (A+)
【総評】(A)
【コメント】
ここまで来ると、晩年安定の作品であり突出した作品はやはりシングルの『人魚姫の夢』ぐらいかなと。
しかし、生前最後の共演とも言える加藤和彦とのデュエット曲や実はあんまりテーマにしていなかった『夢』などトピックがここまできてあるのは本当に凄い。
Road Show
- ひとつの恋が終るとき (S)
- Mysterious Flower (S+)
- I Love You (B+)
- 今すぐレイチェル (B)
- 夏が過ぎてゆき (B+)
- 太陽と黒いバラ (B)
- コインの裏側 (A)
- 夢を忘れたDreamer (S)
- GIRL a go go (A+)
- バトンリレー (B+)
- ダンスのように抱き寄せたい (S)
【総評】(S)
【コメント】
映画のような曲が目白押しの作品。彼女の年齢もあり、ここで年齢を意識したアルバムであるからこそ、今までにない深みが出ておりこのアルバムを楽しめる事ができると考える。
POP CLASSICO
- Babies are popstars (S)
- Laughter (B+)
- 愛と遠い日の未来へ (A)
- 今だけを きみだけを (B)
- 雨に願いを (B)
- Your Eyes Are Magic ~ 終止符をおしえて (B+)
- Hey girl! 近くても (B+)
- Discothéque (B)
- Early Springtime (A)
- 夜明けの雲 (B+)
- シャンソン (B+)
- MODÉLE (A)
【総評】(A+)
【コメント】
過去と未来の融合を掛け合わせた作品。ベスト盤で完全に調子を取り戻したのが印象的な『Babies are popstars』は印象的。
『Road Show』の頃からそうだが、無理をせずとも音楽の攻めが見せられるというのはやはり圧巻である。
宇宙図書館
- 宇宙図書館 (A+)
- 残火 (S)
- Sillage ~ シアージュ (B)
- AVALON (B+)
- あなたに会う旅 (B)
- 星になったふたり (B+)
- 月までひとっ飛び (B+)
- Smile for me (A)
- わたしの心の中の地図 (A)
- 君(と僕)のBIRTHDAY (B+)
- 気づかず過ぎた初恋 - Extra Winter Version (A+)
- GREY (B)
【総評】(A+)
【コメント】
時期として3年振りのアルバムということで、貫禄たっぷり。それはタイトルチューンでもある『宇宙図書館』からだ。1曲ずつ丁寧に聞かせる構成は次作もそうだが、それぐらいにメロディーラインを活かしているのだろう。
そして、その中でもとびきり『残火』は名曲らしい風格を持っている。これだけの為に聴いてもお釣りは来るだろう。
深海の街
- 1920 (A)
- ノートルダム (B+)
- 離れる日が来るなんて (B+)
- 雪の道しるべ (B+)
- NIKE 〜 The goddess of victory (A)
- What to do? waa woo (B)
- 知らないどうし (A)
- あなたと 私と (A+)
- 散りてなお (B+)
- REBORN 〜 太陽よ止まって (B)
- Good! Morning (B+)
- 深海の街 (A)
【総評】(A)
【コメント】
流石に声の衰えは「宇宙図書館」の頃から感じてはいるが、宇宙図書館の頃から音楽の攻めは相変わらず凄い。
いまだに良い曲を産み続け、時には昔に戻ったりと宇宙図書館にはなかった音楽性も感じられるが、あくまでもユーミンはユーミン。そこは絶対に崩さない良いアルバム。
ユーミン乾杯!!~松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム~
- 影になって/岡村靖幸 (A)
- 中央フリーウェイ/YOASOBI (A+)
- Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない)2023/桑田佳祐 (A)
- 今だから/小田和正、財津和夫 (B+)
- 春よ、来い (Nina Kraviz Remix) (A)
- SATURDAY NIGHT ZOMBIES/RHYMESTAR (A+)
- 真珠のピアス/YONCE (B)
- 守ってあげたい/乃木坂46、小室哲哉 (B)
- 輪舞曲 (ロンド)/くるり (B)
- 真夏の夜の夢/GLIM SPANKY (B+)
【総評】(B+)
【コメント】
初のコラボベスト!と謡った本作だが、蓋を開けてみればちょっとコラボレーションと言うには少し不向きな内容だったのではないかと感じた。
「コラボしてるなぁ~」って思ったのは初収録曲の2つと、RHYMESTARぐらいだったかなぁ。これじゃあコラボレーションと言うよりかはこれこそ、いきものがかりがやろうとした『meets アルバム』だったのではないか?と思うほど。2曲以外にも、色んな未収録曲があるので、それだけでも立派な豪華コラボベストと言えるのだが、こういったテイストにしてしまったのだろうか。
ただ、単純に様々なアーティストがユーミンの曲を好きにアレンジしている感じは面白いと感じた。