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音楽のレビューや、ゲームの感想など・・・

【第5回】任天堂の名曲を語ろう【カービィシリーズ】

もちろん分かってる、カービィHAL研だ。

まん丸ピンクの人気者、人呼んで「星のカービィ」。1992年4月27日の春に華々しくデビューを飾った。桜井政博によって作られたカービィは、誰でも簡単に遊べるゲームを目的に作られ、そのシリーズどれもが安心して誰もが遊べるシリーズに出来上がった。

そして、30周年という節目を迎えたカービィは初の3Dアクションにシフトし『星のカービィ ディスカバリー』という新作を発売し、今も尚その人気は衰え無しだ。

ただ、その30周年も平坦の道ではなかったことだけは主張したい。

そんなカービィも様々な名曲が産まれたことは事実である。それはもう初代星のカービィから名曲がズバズバと出されていた。

今回はそんなあまりにも名曲が多いカービィシリーズから名曲群を紹介していこうと思う。以前までやった任天堂の名曲シリーズにおいては好きな曲を羅列して語るという物だったが、今回は趣向を凝らしてジャンル分けにしたいと考えている。それぐらいステキな曲が多いからだ。

  • 楽しい・ハッピー
  • 疾走感溢れる
  • 美しい旋律のバラード
  • 壮大・荘厳

この4つのジャンルに分けて話していこうと考えている。なのでいつもより曲数が多いことはご了承願いたい。それぐらい名曲が多いのだ。

カービィの名曲を語ると、自然にカービィの魅力が伝わると考えている。今回はさらに分かりやすいように出来る限り時系列順にも区分して紹介しよう。前までは本当にざっくばらんだったため、申し訳なかったが今回からその傾向に移らせていただく。

前置きが長くなったので、早速ハルカゼとともに、名曲を振り返っていこう。

 

 

楽しくハッピー系

GREEN GREENS(星のカービィ)/石川淳

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言わずと知れたカービィの代表曲中の代表曲。最初にこれを紹介せずに、何がカービィの名曲を紹介しようか

イントロから繋がる余りにもキャッチーなメロディーは、聞く人を魅了させる。イントロのコード進行が、そのままメロディーにつながるのもまた味があり良い。

作曲者の石川淳はこのメロディーを生み出した。石川の作る明るい曲調の多くは、リズムが小刻みで、その明るさの中にほのかに香る侘しさが特徴である。

このような曲調は、カービィに多く使われており、勿論この曲も様々な場所でアレンジされている。『星のカービィ スーパーデラックス』内では、水晶の畑エリアにて壮大にリメイクされた。後半のパートでは別名カービィ凱旋」と呼ばれ、カービィ雄大さを示している。

もはや名曲過ぎて私が語るような場所はないが、この楽曲はどのようなポップアレンジにしても絶対に似合うということは、まず分かる。それほどまでに作り上げたこの曲は、やはり何回聞いても飽きない。
普遍的な名曲というものは、何回も聞きすぎると飽きてしまうかもしれないが、この楽曲では多分そんなことは起こらないだろう。私がそうだったから。

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カービィ凱旋」が入ってるバージョン。

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STAGE 5(カービィのブロックボール)/大山助三・高木了恵

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お次はいきなり番外編的ではあるが、大名曲のため。作曲者が「トーセ」の出身者によるものが作ったため、所謂カービィらしさというものはない。。。。

と、思った人も多いだろう。しかし、聞けば聞くほどそれはもうカービィそのものの楽曲となっている。『STAGE 1』からカービィの無敵曲のアレンジが施されており、眉唾もの。そして、様々な楽しいまさにカービィらしい楽曲が満載の中、極めつけがこの『STAGE 5』である。

全体通してスキのない、多幸感に満ち溢れたポップなチップチューンゲームミュージックとしてもフレーズを繰り返しながら、徐々にメロディーやキーを変えていくなどのキャッチーさをしっかりと出している。

これを名曲と言わずして何と言おうかと言わしめた名曲である。しかしながら、「トーセ」の出身者によって作曲されたものであり、HAL研が関与していなかったこともあり、長年このゲームどころか、曲のリメイクさえも行われなかった。。。

しかし、今年2022年になって初めてこの『STAGE 5』がリメイクされたのである。それが『カービィのグルメフェス』だ。

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何と27年ぶりの時を超えてリメイクされたのだ!これだけでカービィファンは買う価値があるだろう。もちろんそれ以外にも多数リメイク曲があり、どれも良アレンジであるということは言うまでもない。

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海ステージ(星のカービィ3)/石川淳

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お次は私の最も好きなカービィシリーズから。なので結構贔屓目に見てしまってる部分があるかもしれないのでご了承を。

淡いパステルカラーの画風が特徴の今回のカービィは、その世界観に合わせてかなり切なさともとれる楽曲が目白押しだ。そんな楽曲であれば石川淳のお手の物だろう。

特にこの海ステージはかなりの人気の高さを誇っている。このことから、海ステージの曲といえば石川淳で決まりと言われるぐらいに、カービィシリーズの曲で多く採用されている。

笛のシンセとストリングスのシンセが交互に混ざり合う最初の展開と、ブラスシンセが織りなす後半の展開には最早感服しかない。それでも後ろは楽し気なコード展開が鳴り響くのも本当にたまらない。
ゲーム曲の中で海をテーマにした曲は数あれど、これほどまでの曲は本当に片手で数えるぐらいだろう。素晴らしいの一言に尽きる。

星のカービィ3の曲は後半で1曲紹介するが、その他にも驚異的な中毒性あふれる『サンドキャニオン』や『グルメレース』のアレンジが使われるなど、扱われるトピックの数はかなり多いと思われる。

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くものうえで(星のカービィ64)/石川淳

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原曲は『星のカービィ 夢の泉の物語』から『バタービルディング』。この時の作曲者は安藤浩和によるもの。この曲はそのリメイクで、アレンジ担当は石川淳である。

これぞ良リメイクと呼べる素晴らしい楽曲に仕上がった。原曲からテンポを落としながらも、ハッピーに仕立て上げようとブラスの打ち込みが使用されているのも憎いポイントである。

それこそ、作曲者の安藤浩和は『星のカービィWii』までは本当に隠れた名作曲家として名が知れていた。カービィの可愛らしさを前面に打ち出した可愛らしい楽曲が多く、『レインボーリゾート』や『クラウディパーク』など名曲は数多くあれど、敢えて言うならその程度であったのだ。
しかし、そこからもうどうした!?と言わんばかりに『星のカービィWii』にて、圧倒的名曲を数多く生み出したのも事実である。この楽しくハッピー系列では、安藤さんはあまり出てこないが、後半のジャンルからはかなり出てくるので楽しみにしといてほしい。

一先ず、この楽曲はカービィ64の中でもとりわけ最高だということは宣言しておこう。

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森・自然エリア(星のカービィ 鏡の大迷宮)/伊勢村篤義・稲垣博信

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お次も、一番思い出に残っているカービィ作品のためかなり贔屓目に見てしまうので承知してほしい。

桜井カービィ最後の作品としても取り上げられるこの作品だが、内容はかなりの奇抜性を誇っている。広い迷宮を駆け巡りながら宝箱を回収していく、所謂メトロイドヴァニアと呼ばれる形式。且つマルチプレイに対応した斬新さは本当に異端だったかもしれない。
更に言えば、作曲者も『カービィのブロックボール』と同じように、DIMPS所属のメンバーと、HAL研が作曲に関与していないこととなっている。

しかしながら、いつだってカービィは私たちの味方だ。この曲を聞いた瞬間、本当にいつでも感動できる自分がいる。マーチのような展開で冒険をワクワクさせるやり方は本当に見事だといえる。

何といってもベースや後半のメロディーの駆け上がり方は本当に感動ものだ。久しぶりにこのゲームをやった時はこの曲を聞いた瞬間に鳥肌が立って、泣きそうになったのもいい思い出だ。カービィはやっぱり凱旋マーチがよく似合う。それを痛感した曲だった。

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タマゲールせつげん(毛糸のカービィ)/冨田朋也

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この作品はHAL研グッド・フィールが関わっており、グッド・フィールの冨田智也がステージ前半の曲を多く作曲している。

初心者に親しめるカービィが、さらに親しめるように開発した可愛らしい世界観で染め上げた良作品。作曲者の冨田朋也は元々コナミ矩形波俱楽部」というバンドに所属しており、ゴエモンシリーズをメインに様々な名曲を生み出した天才の一人である。

そんな冨田もカービィに関わるとなると、勿論その才能を遺憾なく発揮する。聞いただけでも分かる、雪・冬を感じさせることの出来る爽やかなメロディー豪華絢爛なアレンジ毛糸のカービィは華やかながらも、大人しめな曲調が多かったために、この曲はより一層印象に残る。

しかもこの『毛糸のカービィ』では、従来のカービィとは一味違い、生演奏を多用している。HAL研サウンドスタッフは打ち込み重視であったため、このサウンドプロダクションに驚き関心を得て、次回作のカービィなどにも影響が出ている。その作品としても非常に重要なため、買ったり聞いたりして損はない。

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天かける虹(タッチ!カービィ スーパーレインボー)/大原萌

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WiiUの作品は、あまり売れていなかったため多分カービィシリーズの中では比較的遊ばれていない作品である。私はこのゲームをリメイク曲目当てで買った。その時に出会った新曲である。

HAL研から新たに入った作家「大原萌」により作られたこの楽曲は、文句の付け所がない名曲中の名曲。タイトル通りに虹の道を作りながら空に向かう様を体現したかのような名曲。

ステージをやりながら、中々の鬼畜さに苦笑しながらも曲だけは本当にスゲェと只々思って、調べたら新人だということにもさらに驚く。何とバイト時代に作り上げた曲らしく、散々足掻いて藻掻いて作られた楽曲。この曲を起点に色々と吹っ切ることが出来たと明言している。

アレンジや曲展開は言わずもがな、最初は笛の音色で爽やかさを醸し出しながらも、サビに入ると、雄大に広がるオーケストラアレンジは本当に感涙もの。私が決めた「楽しくハッピー系」のジャンルに最も合うものだと思う。

10年代のカービィ系列の楽曲の中でここまでポップにアレンジできるのは本当にすごい。改めて言うが10年代カービィ系列でのポップな楽曲の中で最も好きな楽曲であることは言うまでもない。

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行こうよアライブルモール(星のカービィ ディスカバリー)/安藤浩和

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楽しくハッピー系最後の曲は最新作の3Dアクションから。このゲームは今のところ今年の中でぶっちぎりNo.1ゲームとして本当に記憶に刻み込まれたゲームだ。

本作はリメイク曲がほとんど無く(一部に過去の曲が使用されてるぐらい)、新曲が多いというのもトピックの一つだ。その中の一曲。

荒廃した都市を駆け巡るという、近年のゲームのムーブメントをカービィも引き継ぐ事に。その中で、ショッピングモールを探索する際に流れる一曲ではあるが、この曲がまたポップで本当にたまらないのだ。

本当にイオンモールとかのショッピングモールで流れで、ついつい購買意欲が上がってしまう名曲。安藤さんの可愛げあふれる楽曲が、ズバズバと出た名曲で且つ、華やかさもありながら、何処か荒廃したことを感じさせる哀愁さも兼ね備えている名曲だ。

とにかくキャッチーで、何度も口ずさみ、気づけばこのディスカバリーの楽曲の中で1,2を争う好きな曲になった。ゲーム内にて何度もリメイクされた楽曲なのだから当然耳に覚える。だからこそ名曲なのだろう。

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疾走感溢れる系

クーのテーマ(星のカービィ2)/池上正

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疾走感と聞いて、まず思い出すのはこの楽曲だろう。今作は仲間を引き連れる初めての作品だからこそ、その仲間専用のBGMがある。

リックやカインなどはポップだったりボサノバ系だったりと軽快なのだが、クーだけはかなり異質。鳥をモチーフにしているキャラクターだからこそ、鳥のような疾走感を意識した楽曲をモチーフにしており、その疾走感がたまらない。

後、クーが鳥だからか異常なまでに強く、操作性能も良しで、クーとカッターの組み合わせもとにかく強かった印象があるため、一段とクーを使っていたというのも記憶に残る理由である。

ステージに切り替わったり、仲間を切り替えたりするとイントロから流れるため、この『星のカービィ2』は特にイントロを重視していると思われる。その中でも取り分けこの曲は印象に残る。

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戦艦ハルバード:甲板(星のカービィ スーパーデラックス)/石川淳

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スーパーデラックスの人気曲といえばこの曲をあげる人は多いだろう。これまでのカービィがかなりほんわかしていた作品が多かった中で、ぶっちぎりのシリアスなストーリーメタナイトにこれまで以上にスポットライトが当てられ、メタナイトの人気が一気に浮上した名作だ。

そんなシナリオの一ステージがいきなり疾走感マックス。全体的に戦艦ハルバード内のBGMが疾走感に溢れている。その序章ということもあり、まさに打ってつけのBGMだ。

また、この曲をさらに一段と有名にしたのは『スマブラX』他ならない。「戦艦ハルバード」自体がステージになっており、その曲のリメイク。名アレンジにならないはずがなく、アレンジの完成度は原曲よりもこの曲が圧倒的ではある。

疾走感だけを取り上げるとするならば、当たり前ではあるが原曲のほうではあるのは言うまでもない。

また、もう一つの名アレンジとして『毛糸のカービィ』も取り上げたい。こちらは全体的にアコースティックバージョンの生演奏がたまらない。疾走感は余りないが、このゲームらしい可愛らしさが顔を出している。
もう一つトピックを取り上げるとするならば、この曲は非公式アレンジでグラミー賞を取ったこともあるのだ。流石に非公式だったので、どうだろうというものではあったが、日本のゲームミュージックグラミー賞を受賞したということは素晴らしいことではある。

youtu.beスマブラX Ver.

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とるとるバトル(星のカービィ64)/石川淳

星のカービィシリーズは毎度だが、サブゲームもクオリティが高い。『星のカービィ64』も例外ではない。その中の一つ。

上から落ちてくるフルーツを奪い合うという、友情崩壊が起きそうなゲームだが、よくよく聞くとかなりの名曲でスルメ曲だ。

Aメロ、Bメロ、サビというゲームミュージックには余りないJ-POPの構成をしており、更にゲームミュージックの基礎のお馴染みのフレーズを繰り返しながら転調したり細かくメロディーを変えたりなどとキャッチーさも兼ね備えている
しかも、それで尚且つ疾走感がある。ミニゲームながらも対戦ゲームという枠組みがあるからこそ白熱したBGMが、その疾走感をより一層湧き立たせるのだろう。

あまり注目されない曲かと思ったら、2022年みんなで決めるミニゲーム曲では4位とかなりの大健闘をした。この曲の良さが徐々に浸透していった、という意味でもやはりスルメ曲なのだろう。

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コルダ(カービィのエアライド)/酒井省吾

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今でもリメイクや続編が待ち望まれている珍しい作品。度々ニンテンドーダイレクトが告知に上がると、同時にエアライドもトレンドに浮上してくる現象も最早恒例行事になっている。

その中のレースBGMの一曲なのだが、レースBGMに相応しい冬の疾走感を味わえる圧倒的完成度。
透明感あふれるメロディーとコード進行は、聞くだけでも寒さを味わえる。この最初の展開がかなり印象深いが、結構サビの展開はかなりキャッチーに仕立て上げている。そしてもう一つのサビは、それよりも更にキャッチーにするという荒業。

これで聞いた人は記憶に残らないわけがない。スマブラでもこの曲は基本アレンジされないという破格の待遇を受けている。

カービィのエアライド』はレースゲームの為、基本疾走感に溢れており全部選んでもいいのだが、流石にもう一曲だけに留めておく。

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チェックナイト(カービィのエアライド)/宮川彬良

このBGMは『アニメ 星のカービィ』の流用されたBGMである。そのためカービィ全体通してもかなり異色。作曲者はNHKで放映されていた『クインテット』のアキラ役でお馴染みの人である。

全体通してクライマックス感が強く、アニメでも反撃の一曲としても用いられており、そっちの方がイメージが強いという人も多いだろう。その為か、ミュージカルのように展開が次々ときて全く飽きさせない。オーケストラ編成の生演奏の迫力もあり、レースBGMながらも面白いと感じさせる。

こんなに激しい曲を良く疾走感あふれるレースゲームに落とし込めたと感じさせる。異色の曲だからこそ、印象に残っており、スマブラにも原曲のまま収録できたのであろう。

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スカイタワー(星のカービィWii)/安藤浩和

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据え置き星のカービィから実に11年の時を経て発売されたこの作品。この時期から熊崎信也がディレクターを本格的に務めることとなり、ファンからも「熊崎カービィの名で親しまれている。

その完全新作の本作は、寸分の狂いもないぐらいの傑作テレビ朝日が放映した『ゲーム総選挙』ではこのゲームが星のカービィシリーズの中で最も順位が高いのも、傑作の理由だと頷ける。その中の一曲。

後半戦に差し掛かるその場面の一曲だが、イントロから湧き水のように溢れ出す疾走感と高揚感。1分にも満たない曲で構成されているのだが、その全てにカービィらしい明るさ可愛さ切なさが存在している。それが邪魔にならずに、見事なまでに背景とマッチして名曲になったのだ。

星のカービィWiiより「スカイタワー」をアレンジしました - YouTube

もう一つ語るとするならば、この曲は発売から約7年前に作られていたという事も取り上げなければならない。『スカイタワー』と対になる曲として作られた『勝利への道』という楽曲がある。この『勝利への道』は2003,4年ごろにE3等のPVで発表された、ゲームキューブ版の星のカービィに使われた曲である。結局そのゲームは発売されることなく没に、この曲が7年も放置され続けたのだ。

それがようやく芽が出て、星のカービィシリーズの中でも屈指の名曲と呼ばれているのだ。裏側を知ることで、更に好きになった名曲の一つでもある。

そんな『星のカービィWii』は何とこの2023年に『星のカービィWii デラックス』としてフルリメイクされたのだ!こんなに嬉しい事はないだろう。新曲も収録される予定なので、これも楽しみに待っている。

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あつめて!リンゴマッチ(カービィ バトルデラックス)/大原萌

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カービィ番外編的作品からも一つ選出しておく。カービィ同志が戦うカービィバトルシリーズの中の疑似3Dで打ち出した一つ。

前述した新人の大原萌氏は今作ではメインで作曲を務めており、そのセンスを出していくこととなる。その中の一曲。

リンゴを集めていくという、これまた前述した『とるとるバトル』と少し似たような所はあるが、そちらと比べても大分ポップな形となっている。『グリーングリーンズ』のワンフレーズも使われているところがあるため、印象に残りやすい曲だと思える。

ポップでマーチ感が溢れているが、バトル要素を出すためにかなりテンポが速い。そのためか「慌ただしいキッチン」みたいな感じが思い浮かび、めっちゃ慌ただしい!と一人で笑った記憶もある。

サブスクでは、この楽曲をボーカルアレンジした『カービィ!メモリアルアレンジ』の一曲『リンゴジュースのうた』にてもっとポップにアレンジされているのも印象的。どちらも聞くことを勧めよう。

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リンゴジュースのうた

リンゴジュースのうた

  • provided courtesy of iTunes

 

 

ムーンライトキャニオン(星のカービィ ディスカバリー)/下岡優希

疾走感あふれる最後の曲もディスカバリーで締めようと思う。多分次の「美しい旋律のバラード」もこれになるはずだ。

この曲では「ムーンライトキャニオン」のステージ後半で流れ、そのイントロに圧巻されるだろう。鬱屈とした洞窟を抜け、夜空をバックに流れるこのBGMで鳥肌が立たない者はいないだろう。

作曲者は新人の下岡優希によるもの。ようやく担当された新作星のカービィでは、その才能を否応なく発揮することとなる。石川淳、安藤浩和の2名に指揮されたことや、自身がカービィの音楽がきっかけでHAL研に入社したことから、カービィ音楽らしさMAXである。
初見で聞いて、どっちが作曲したんだろうと思ったら下岡さんだったという事がこのゲームでは結構あり、その中の一曲だった。

全体として砂漠の谷をイメージして作曲され、荒野を駆け巡るイメージや、カービィの勇ましさ。中盤に出てくるアコギの音など、憎いところが多々あり、実際に熊崎信也氏も今作の中でかなりお気に入りの曲らしい。

ステージ名からあふれ出す名曲感に感動すること間違いなしの一曲だった。

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美しい旋律のバラード

夢と寒冷地の面(星のカービィ 夢の泉の物語)/安藤浩和

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美しい旋律のバラード最初の一曲は、この曲で間違いないだろう。チップチューンなのだが、本当にファミコン音源なのかと思うぐらいに、異質でイントロのポコポコした感じも印象的だ。

ワルツが特徴的で、横揺れ出来るゆったりとしたBGMは、その旋律をさらに美しいものに引き上げる。始めてやったのは『夢の泉の物語DX』というGBAにリメイクされた作品だったのだが、それでもこの音の再現率は凄まじく当時からかなり印象に残っていた。

リメイクされる機会もかなり多く、『エアライド』では『コルダ裏』として。『スターアライズ』では3か所もこの曲が使われるなど、アレンジ曲としても結構破格。

しかしながら、この曲こそが原曲に勝るものなしといった形になっており、今でもこの曲を聴くと、不思議と幸せな気持ちになれる私がいる。

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おおきなまめのき(毛糸のカービィ)/冨田朋也

毛糸のカービィ』に関しては殆どが美しい旋律のバラードの権化であるため、エアライドと同様に厳選して紹介する。

ピアノをメインにした、軽やかで、本当におおきなまめのきを登っていくのかと思えるぐらいの名曲。ステージ序盤で流れるため、この曲が毛糸のカービィ』のイメージを大きくしたといっても過言ではないだろう。

この曲を聴くと、まるで木漏れ日が見えて、ゆったりとした気持ちになれる。後にこの楽曲に影響された安藤浩和は次の曲でも同じように、ピアノをメインとしたバラードを作ることにしたのだろう。
前述でもしたが、サウンド面において『毛糸のカービィ』がどれほどまでに影響していたのかが分かる。

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雲の夢(星のカービィWii)/安藤浩和

星のカービィ 夢の泉の物語』の『グレープガーデン』のリメイク。ピアノを主体とした完璧なリメイクで、これこそ生演奏の魅力が伝わってくる。

事実、名曲『スカイガーデン』から立て続けにこの曲が流れてくるこの「ナッツヌーン」というステージ自体が神懸り過ぎていると言えば良いのだろうか。メロディーが流れても止まらないジャズっぽくアレンジされたピアノは鳥肌もの。
そして最後に流れるのはお馴染みカービィ凱旋」。これを名曲と言わずとして何と呼べばいいのか。

『スカイタワー』の疾走感から一気に落ち着かせることにより、同じステージにメリハリがついたという意味で見ても、やはり完璧という言葉以外にない。

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空色フライト(星のカービィ ロボボプラネット)/安藤浩和

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バラードとは少し違うが、落ち着けるBGMとして少し取り上げさせてほしい。

所謂隠れた名曲として、ボスラッシュ等の休憩BGMとしても使用されたこともあるが、やっぱり一番はジェットで飛び回るときのBGMが一番印象深いだろう。

安藤さんのチップチューンの使い方はかなり独特で、アレンジの一つとして入れているのが特徴的だ。そのアレンジも入れ方が絶妙で、憎いなと多々思わされる。
そんなジェットで飛ぶBGMだからか、少しだけ疾走感は追加されている。けれども、何故だがそれが妙に心地よく落ち着けるのだ。休憩BGMとして使われたのも頷ける。

美しい旋律が軽快になって登場!みたいな感じで聞いてもらえると非常に助かる。

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フォルアースに吹く風(星のカービィ スターアライズ)/小笠原雄太

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星のカービィシリーズの集大成から一つ。集大成という事で、リメイク曲や懐かしい敵、懐かしい曲などが目白押しでたまらないこの作品。そんな中、新人の小笠原雄太はここにきてとんでもない化け物級の名曲を生み出す。

秋の侘しさと切なさを兼ね備えた、まさに美しい旋律のバラードそのもの。石川淳・安藤浩和の両名に全く引けを取らない、このメロディーを作り上げたのはとんでもない功績だ。しかし、小笠原が得意とするものはこういうバラードだけでなく、ロック調だというのもまた面白いと思わせる。

スタアラからかなりギターがメインを占める楽曲が増えてきたのだが、それも小笠原の影響が強いのが理由である。
それとは全く打って変わって正反対の曲も作れ、それが名曲なのだから凄いのだ。

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北のホワイトストリート(星のカービィ ディスカバリー)/小笠原雄太

美しい旋律のバラードラストも当然ディスカバリーで。一応ディスカバリーの曲はこれでラストとする。

こちらも小笠原雄太さんが得意とする、美しい旋律のバラードそのもの。聞くだけで冬を味わえることのできるアレンジは眉唾物。
しっとりと流れるBGMから、後半にかけてのクライマックスは本当に感動でき、一発で聞いただけでもかなりの名曲だと言える。ロンドンの冬を舞台にしているかのような雰囲気になっているため、ディスカバリーの舞台を一変させるかのような、魔法ががっているのも特徴的。

小笠原さんが得意とするギターアレンジもここぞとばかりに加わり、私がディスカバリーの中で『行こうよアライブルモール』と匹敵するぐらいに好きな曲になっていったのは言うまでもない。

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壮大・荘厳

VS. ゼロ(星のカービィ3)/石川淳

壮大・荘厳を掛け合わせた一曲としてまず思いつく一曲。どちらかと言えば疾走感に近い形なのだが、今までのほんわかした雰囲気から一変。本当に近づいてはいけない、あらゆる意味で恐ろしい一曲。
当時子供の時にこれをプレイして、圧倒的異質さに曲と共に脳裏に焼き付けられてしまった。

次々と畳みかけてくるメロディーは、緊迫感を表している。世界が崩壊の危機に向かっているのと同時に、ラスボス自体もカービィにやられるのかもしれないという焦りから生まれたBGM、という意図も汲み取れる。

荘厳と聞くと、重厚感があるイメージが強いが、私にとって荘厳とは見ちゃいけない、触れてはいけない、パンドラの箱のようなものとしても捉えている。

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伝説のエアライドマシン(カービィのエアライド)/酒井省吾

壮大なBGMといえばこれを思い浮かべる人も多いだろう。エアライドのゲームモードの一つ「シティトライアル」にて、伝説のパーツを3つあつめることで聞ける無敵感が味わえるBGM。

オーケストラを用いており、聞くだけで最早敵なし。バッタバッタと敵をなぎ倒せる爽快感や街を自由に駆け巡る解放感も兼ね備えている。

こちらもやはり、スマブラのアレンジが印象深い方が多いだろう。より生演奏が増したバージョンとなっており、そちらも好み。子のアレンジはそれに加えて『グリーングリーンズ』と『グルメレース』のメドレーとなっているため、更に壮大さが増すBGMとなっている。

向かうところ敵なし感を味わえるのは勿論原曲の方ではある。

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スマブラX Ver.

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マスクド・デデデのテーマ(星のカービィ ウルトラスーパーデラックス)/石川淳

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『スーパーデラックス』のリメイク作品として発売されたこのゲーム。その際に追加された新モードのラスボス曲。

観客もワドルディのみ、電撃流れる金網に、鋼鉄のマスクを付けたデデデ大王が襲い掛かるといった、デデデ大王の本気が伝わってくる。
そのため、BGMもクライマックス級。ド頭にサビのメロディーをぶつけ、壮大さを演出。テンポも原曲よりも速くし、本気のデデデの荘厳さも兼ね備えている。

このBGMがきっかけになったのか、デデデが本気を出す際にはこのマスクドデデデ戦のBGMがかかるようになる。カービィファンはこの曲を聴くと否応なく、デデデの本気と悟れるようになる。

ある意味ゲームミュージックとして成功した楽曲で、「この曲が流れると、こういうことだ!」という思い出トリガーを引っかけてくるHAL研の私たちに対する理解度も伺える。

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支配してアゲルヨォ(星のカービィWii)/石川淳

マホロア戦の第一形態目で流れるこの曲。本当のラスボス『CROWNED』は余りにも有名すぎるため、今回は敢えてこの曲を紹介させてほしい。

というのも、この曲の展開は非常にえげつない星のカービィシリーズを通しても1曲4分で、ここまで展開が変わる曲はそうそうない。というかゲームミュージックとしてもかなり異端である。

シンセやロックを通り越したプログレというジャンルに属しており、カービィプログレが味わえるとは本当に思わなかった。
壮大・荘厳を通り越した不気味な一曲。しかし、絶対に負けられない戦いを演出させるものとして非常に熱い一曲となっている。
『CROWNED』の陰に隠れがちと思っていたが、ファン以外にもこの曲が人気らしく、如何にこのラスボス戦が強烈なインパクを持ち合わせていたのかが分かる。

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狂花水月(星のカービィ トリプルデラックス)/安藤浩和

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タランザのおくる ささげものは、言葉(ことば)は、
かのじょにはもう とどかない。()すべてを
うしない ぼう(そう)する かつて女王(じょおう)であった
()そうな むくろ…。世界(せかい)をとりこみ なお()
しゅうちゃくする かのじょに、とわなる…ねむりを!

イントロから伝わる荘厳さ。今作のボス曲『とびだせ!手前へ奥へボスバトル』と『きせきの1つ』をメドレー化したアレンジ曲となっている。

しかしそれとは似ても似つかない、アレンジが織りなす妙としても印象的だ。メインメロディーはどこか女性のような声が鳴り響いており、ラスボス「クインセクトニア」の歌声ともとれるのが、切なさを加速させている。

タイトルの「鏡花水月」をモジるセンス、安藤氏による荘厳さ。どれをとっても完璧で、カービィらしさはないけど、何故だかカービィを感じ取れるアレンジも絶妙だ。カービィシリーズ通してのラスボス戦の一曲として、私のナンバーワンである。

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〔まとめ〕

いかがでしたか?

 

ということで、全27曲の私の好きな、思い出に残っているBGMを紹介しました。勿論本当はあの曲や、あの珍曲なども取り上げたい!という気持ちが非常に強かった。

しかし、ここはグッとこらえて、初めてカービィを聴く人にも、カービィファンにも、これなら納得ともとれるような幅広い選曲をしたと自負している。

次回やるときにはもう少しだけマニアックな曲も紹介したいと思っている。取り上げていないカービィシリーズがまだまだあるため、これからもカービィを語るときは飽きずに語れるだろう。

最後に紹介する曲は、星のカービィが20周年を迎える時に発売されたコレクションゲーム『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』から一曲紹介しようと思う。

それでは。。。

 

バイバイ カービィまたあした!

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