完全版
ということで、スピッツ の全アルバムを超絶簡素にレビューした全てのアルバムをここに載せたいと思う。
単曲と総合評価で分け、評価(C,B,A,S)とし、場合により(+,−)を付ける場合があるのでご了承願いたい。
スピッツがどのようにロックとパンクを使い分けたのかも含めて、どうぞ・・・。
スピッツ
- ニノウデの世界 (A)
- 海とピンク (A+)
- ビー玉 (B+)
- 五千光年の夢 (B)
- 月に帰る (B+)
- テレビ (A)
- タンポポ (B+)
- 死神の岬へ (A)
- トンビ飛べなかった (B)
- 夏の魔物 (A)
- うめぼし (B)
- ヒバリのこころ (S)
【総評】(A)
【コメント】
当時からスピッツは何も変わらない。素直な声と歌詞の意味わからない要素がそのままだった。でもまぁメロディーもメジャーになってからパンクっぽい感じもいい感じにそがれ、訴求するものはあったと思うし、メジャーデビューらしいメジャーデビュー作品。
名前をつけてやる
- ウサギのバイク (A+)
- 日曜日 (A+)
- 名前をつけてやる (A+)
- 鈴虫を飼う (B+)
- ミーコとギター (B+)
- プール (A+)
- 胸に咲いた黄色い花 (S)
- 待ちあわせ (B)
- あわ (B)
- 恋のうた (A)
- 魔女旅に出る (A)
【総評】(A+)
【コメント】
初期の名盤と呼ばれる作品。最初の勢いある曲でそのまま押し通し、そして『魔女旅に出る』で贅沢なストリングスを使って締めるという構成。近年のスピッツは全くストリングスを使ってないため初期のスタンスを受け継いだかと思ったら、こうだったので意外だった。
初期の名盤と言われたので、確かな名曲がごまんとあるのかと思えば最初聞いたとき「あれ?」と思ってしまったのはいい思い出。けれど繰り返し聞くことで、確かにスピッツの初期として語るうえで絶対に外せないアルバムであることは確かだ。
オーロラになれなかった人のために
- 魔法 (A+)
- 田舎の生活 (B-)
- ナイフ (B-)
- 海ねこ (B+)
- 涙 (B)
【総評】(B-)
【コメント】
スピッツ唯一のミニアルバム。けれど内容はかなり異色中の異色。『魔法』からも分かる、大瀧詠一のナイアガラサウンドのように、誰かのサウンドをマネてスピッツがやったように感じる。
後ミニアルバムなのに殆どがスローバラード。これは眠たくならざるを得ない。『魔女旅に出る』は『名前をつけてやる』の最後にあったからこそ光るものだったため、こういうのが半数を占めるのは、正直・・・な作品であった。こっからよく『惑星のかけら』に行けたなとツクヅク思う。よほど誰かに言われたのか。
惑星のかけら
- 惑星のかけら (A+)
- ハニーハニー (S)
- 僕の天使マリ (B+)
- オーバードライブ (B)
- アパート (A)
- シュラフ (B)
- 白い炎 (A)
- 波のり (B+)
- 日なたの窓に憧れて (A)
- ローサンダー、空へ (A)
- リコシェ号 (省略)
【総評】(A+)
【コメント】
初期の分厚いロックサウンドが聞けるアルバムといえばこれ。初期4作の中なら結構好きな作品。だけど、何故だか頭の中で「パンポンパンポン」とシンセの音が鳴り響くのは、終盤に『日なたの窓に憧れて』が入ってしまったせいかな・・・。
CRISPY!
- クリスピー (B+)
- 夏が終わる (A)
- 裸のままで (B+)
- 君が思い出になる前に (B)
- ドルフィン・ラヴ (B+)
- 夢じゃない (S)
- 君だけを (B)
- タイムトラベラー (B+)
- 多摩川 (B)
- 黒い翼 (B+)
【総評】(A)
【コメント】
初期にしてアレンジが過剰な作品がここにきて早くも誕生した。けれどもミスチルのイミテーションでも語ったことはあるが、その後とんでもない名盤を生み出したり名曲を生み出したりするのでこれはこれでありな作品。
というか異常なまでのポップさは初めてスピッツを楽しむ人なら気に入る人も絶対多い。
空の飛び方
- たまご (B+)
- スパイダー (S)
- 空も飛べるはず(Album Version) (S)
- 迷子の兵隊 (B+)
- 恋は夕暮れ (A)
- 不死身のビーナス (A)
- ラズベリー (B+)
- ヘチマの花 (B)
- ベビーフェイス (B+)
- 青い車 (A)
- サンシャイン (B)
【総評】(A+)
【コメント】
『ハチミツ』前の作品ながらも、最早安定したと言ってもいいぐらいにスピッツサウンドが鳴り響く。『とげまる』前後の作品と言っても違和感はない。
ここから往年のスピッツサウンドが鳴り響く。パンクやロック、ポップの変遷を超えて「スピッツ」というジャンルが産まれたといっても過言ではない。
ハチミツ
- ハチミツ (A+)
- 涙がキラリ☆ (S)
- 歩き出せ、クローバー (A)
- ルナルナ (B+)
- 愛のことば (A+)
- トンガリ'95 (B)
- あじさい通り (A)
- ロビンソン (S++)
- Y (B)
- グラスホッパー (A)
- 君と暮らせたら (B+)
【総評】(S+)
【コメント】
よく考えると何回も聞いているはずなのに覚えてない曲があるというおかしなことではあるがそれでも全体はポップスの塊。スピッツの最高傑作と言われた今作はやはり伊達じゃない。
前後の作品と比べてもとりわけ明るい作品でもあるし、初心者にもベスト盤と同等にすぐに勧められる作品。それが名盤と言われる理由だろう。
インディゴ地平線
- 花泥棒 (B)
- 初恋クレイジー (A)
- インディゴ地平線 (B)
- 渚 (S)
- ハヤテ (B+)
- ナナへの気持ち (B)
- 虹を越えて (A)
- バニーガール (B+)
- ほうき星 (B+)
- マフラーマン (A)
- 夕陽が笑う、君も笑う (A+)
- チェリー (S+)
【総評】(A+)
【コメント】
『ハチミツ』の作品とは一転して、明るく聞こえそうだが実はそうでもないちょっと霞んだ歌詞とポップなロックサウンドが鳴り響く、スピッツ安定の作品。
『チェリー 』はこの作品だとボーナストラック的な感じになっており、無理に入れる必要はなかった気がする。けど、このアルバムの中で一番好きな曲だからなんか複雑ではある。
フェイクファー
- エトランゼ (B)
- センチメンタル (B)
- 冷たい頬 (A)
- 運命の人(Album Version) (S)
- 仲良し (B+)
- 楓 (A)
- スーパーノヴァ (B)
- ただ春を待つ (B+)
- 謝々! (B)
- ウィリー (B)
- スカーレット(Album Version) (A)
- フェイクファー (B+)
【総評】(A)
【コメント】
様々な人が名盤と言っていたが私は「そこまでか・・・?」というかシングル以外のアルバム曲が全然パッとしない。ちょっと期待外れた感が少し否めなかった。
数年前は上記のような感想だったが、今になってもう何周か聞いてアルバム曲もこういう魅力があるのかと理解できた分、自分も成長したのだろう。けどやっぱりパッとしない作品なのは事実。
花鳥風月+
- 流れ星 (B+)
- 愛のしるし (B+)
- スピカ (A+)
- 旅人 (A)
- 俺のすべて (A)
- 猫になりたい (A+)
- 心の底から (B)
- マーメイド (B+)
- コスモス (C)
- 野生のチューリップ (B)
- 鳥になって (A+)
- ヒバリのこころ(インディーズ Version) (S)
- トゲトゲの木 (B)
- 353号線の歌 (B+)
- 恋のうた(インディーズ Version) (B)
- おっぱい (B+)
- 死に物狂いでカゲロウを見ていた (A)
【総評】(A+)
【コメント】
C/Wや提供曲のセルフカバーが入っているが、内容は安定のスピッツサウンドが鳴り響く。寧ろこっちの方が安定していて好きという人もいるかも。
『花鳥風月+』ではインディーズ時代のアルバムを最後に収録した。それをやったとしてもちゃんとスピッツらしいと思わせるのは本当に素晴らしい。
ハヤブサ
- 今 (A)
- 放浪カモメはどこまでも - album mix (A+)
- いろは (B)
- さらばユニヴァース (A)
- 甘い手 (B+)
- HOLIDAY (A+)
- 8823 (S)
- 宇宙虫 (省略)
- ハートが帰らない (B)
- ホタル (S+)
- メモリーズ・カスタム (S)
- 俺の赤い星 (B)
- ジュテーム? (B)
- アカネ (A)
【総評】(S)
【コメント】
聞く前のイメージとしてはとても自分好みではないかと思ったら、これがまた面白かった。2000年代のスピッツだったら、『三日月ロック』の次に好きな作品。
というのも、このアルバムはとんでもないパンク性が爆発したロックに満ち溢れた作品、というイメージや感想が取り巻いて結構後回しにしてしまったのも大きい。けど、聞いてしまえばあら不思議。確かに滅茶苦茶だが、前後の作品と比べてもキャッチーで覚えやすい。もう一度、もう一度と聞きたい魔力があって、繰り返し聞いていた。それがこのアルバムが好きな理由。
三日月ロック
- 夜を駆ける (S)
- 水色の街 (A)
- さわって・変わって (A+)
- ミカンズのテーマ (B)
- ババロア (B+)
- ローテク・ロマンティカ (B+)
- ハネモノ (A)
- 海を見に行こう (省略)
- エスカルゴ (B)
- 遥か album mix (B+)
- ガーベラ (A)
- 旅の途中 (S)
- けもの道 (S)
【総評】(S)
【コメント】
今のスピッツに通じることになった名盤。シングルもさることながらアルバム曲も凛とした曲が多い。
今作以降から、シングルとアルバム曲にそこまで差は無くなり、基本的に美メロならばアルバム曲はシングルカットしていいぐらい名曲揃い。亀田誠治を新たにプロデューサーとして呼んだことに意義があったと思われる。その中でも後半2曲はとりわけ名曲。
色々衣
- スターゲイザー (S)
- ハイファイ・ローファイ (A)
- 稲穂 (B+)
- 魚 (B)
- ムーンライト (B+)
- メモリーズ (A+)
- 青春生き残りゲーム (B)
- SUGINAMI MELODY (B)
- 船乗り (B+)
- 春夏ロケット (B)
- 孫悟空 (A)
- 大宮サンセット (C)
- 夢追い虫 (S+)
- 僕はジェット (B)
【総評】(A+)
【コメント】
こちらのC/Wなどを集めたアルバムは、シングルとは違い『ハヤブサ』のようなロック魂に溢れた作品が多い。『花鳥風月』がポップのイメージだから逆のことを追求したと取れば面白いか。
けれど、ただロックに溢れただけでなくメロディーも爽快で一発で聴いても『スターゲイザー』や『夢追い虫』のシングル曲や『孫悟空』などはかなり気に入るはずだ。
寧ろロックバンドのイメージからポップバンドのイメージに再び戻っていく『スーベニア』に変わる作品としてみても面白い。
スーベニア
- 春の歌 (S)
- ありふれた人生 (A)
- 甘ったれクリーチャー (B+)
- 優しくなりたいな (B)
- ナンプラー日和 (A+)
- 正夢 (B+)
- ほのほ (A)
- ワタリ (B)
- 恋のはじまり (A)
- 自転車 (B)
- テイタム・オニール (B)
- 会いに行くよ (B)
- みそか (B)
【総評】(B+)
【コメント】
アレンジが極端なわけではないが派手な印象は強い。ストリングスの多用や所々に出ている異なるアレンジが印象的で、メロディー的に残ったのは『春の歌』と『ナンプラー日和』ぐらいだったなぁ。ちょっとだけ退屈なアルバムだった。
さざなみCD
- 僕のギター (B)
- 桃 (B+)
- 群青 (A)
- Na・de・Na・deボーイ (B+)
- ルキンフォー (S)
- 不思議 (A+)
- 点と点 (B+)
- P (B)
- 魔法のコトバ (S)
- トビウオ (A)
- ネズミの進化 (B)
- 漣 (A)
- 砂漠の花 (B)
【総評】(A)
【コメント】
バンドサウンドは前の『スーベニア』よりも強調されているが、それでも亀田誠治の手腕なのか、かなりなポップサウンドに仕上がってる模様。
シングルはどれもよく仕上がっており、盤石の態勢。だが、肝心のアルバム曲が個人的に刺さらなかった。一部光る曲はあるが、やっぱりアルバム曲だからこそできる激しいロックサウンドは欲しかったところ。おかげで全体的にはそんなに装飾していないのに、のっぺりした感じになってしまった。タイトルの『さざなみ』のように、穏やかだからだろう。
とげまる
- ビギナー (B+)
- 探検隊 (B)
- シロクマ (B)
- 恋する凡人 (A+)
- つぐみ (A)
- 新月 (B-)
- 花の写真 (B)
- 幻のドラゴン (S)
- TRABAND (B+)
- 聞かせてよ (B)
- えにし (A)
- 若葉 (A+)
- どんどどん (B)
- 君は太陽 (A)
【総評】(A+)
【コメント】
むしろここまで来ると、「安定」という言葉以外に何か感想を思いつかないと、どのレビューサイトもそう書いてしまいそうな作品ではある。
けれど、後半の『幻のドラゴン』以降の楽曲は結構お気に入りで、繰り返し聞きたい曲ばかり。前半のかったるさが『恋する凡人』以外なければ、名盤と呼んでも差し支えなかったような気がする。
おるたな
- リコリス (C+)
- さすらい (S)
- ラクガキ王国 (B+)
- 14番目の月 おるたなMix (B)
- 三日月ロック その3 (B)
- タイム・トラベル (S+)
- 夕焼け (B+)
- まもるさん (B)
- 初恋に捧ぐ (A)
- テクテク (B-)
- シャララ (B+)
- 12月の雨の日 (A)
- さよなら大好きな人 (A+)
- オケラ (B)
【総評】(B)
【コメント】
C/Wの曲集だが、イマイチピンとこない曲が多くなったなぁと。まぁ激しいパンクでロックな曲とさらっとポップな曲のみだからか、本当に耳から流れてしまう。何周か聞きたいけど、最初の『リコリス』だけは苦手でそこまで聞きたくないというのも象徴している。
それよりもカバー曲のクォリティが圧倒的。どの曲もカバー曲の良さが発揮しており、これだったらカバーアルバムにしたほうが本当に良かったと思う。
小さな生き物
- 未来コオロギ (S+)
- 小さな生き物 (A)
- りありてぃ (A)
- ランプ (B+)
- オパビニア (B)
- さらさら (S)
- 野生のポルカ (A)
- scat (省略)
- エンドロールには早すぎる (A)
- 遠吠えシャッフル (B)
- スワン (B)
- 潮騒ちゃん (A+)
- 僕はきっと旅に出る (A)
【総評】(S+)
【コメント】
個人的スピッツの最高傑作はこれ。地味と言われがちなアルバムだが個人的にはどの曲もちゃんと一曲一曲が輝いている。特に『未来コオロギ』は文句無しの名曲。
どこのレビューサイトでも語ってはいるが、やはりストリングス撤廃は大きいトピックの一つだろう。けれど、それを撤廃したことによりアレンジがさらに豊かになって、一方的なアレンジになってないのも、このアルバムが名盤と感じている理由だ。
醒めない
- 醒めない (S+)
- みなと (A)
- 子グマ!子グマ! (B+)
- コメット (B+)
- ナサケモノ (B)
- グリーン (B)
- SJ (B)
- ハチの針 (A)
- モニャモニャ (B)
- ガラクタ (B+)
- ヒビスクス (A+)
- ブチ (B+)
- 雪風 (B)
- こんにちは (B+)
【総評】(A)
【コメント】
成熟しきったバンドでも、まだまだこれからだぞと示してくれるかのようなアルバム。中盤の曲は何度聞いても、あんまり分からなかったが、それでもロックバンドであることを示した彼らはこれからも大丈夫だと、『醒めない』で示してくれた。
最初に聞いたアルバムがこれだったために、本当に戸惑ったのは今でも懐かしい。スピッツってもうちょっと軽やかじゃなかったっけと思って(どちらかといえば『みなと』のイメージがあった。)困惑したが、今では結構好きなアルバム。
見っけ
- 見っけ (B+)
- 優しいあの子 (A+)
- ありがとさん (A)
- ラジオデイズ (B+)
- 花と虫 (B)
- ブービー (B)
- 快速 (A)
- YM71D (S)
- はぐれ狼 (A)
- まがった僕のしっぽ (B+)
- 初夏の日 (B+)
- ヤマブキ (A)
【総評】(A)
【コメント】
小粒な良曲が揃ってて、全体として聞くとまぁまぁ良いアルバムなのだが3年待って発売されるアルバムとしてはちょっとなぁ・・・という所がやはりマイナス点だった。
今聞くと、そんなに悪くないどころか、別にリアルタイム勢じゃなければこのアルバムをそこまで悪く言う人はあんまりいないんじゃないかなと。前作よりも覚えやすい曲はいくつもあるし、アレンジは一貫しすぎているが、別にこれもこれで悪くない。次回作も楽しみだと素直に思える。