1・2・3で音楽が変わる。
このキャッチコピーは初代PlayStationのCMの発言をモジったものである。
PlayStationのCMソングとしてタイアップされた米津玄師の2022年の新曲。「POP SONG」と銘打ったそれは、今までの米津玄師のファンク溢れたポップセンスにスウィング要素を追加した。まさに米津玄師のセンスここにありといった曲だ。
そしてこれはまさしくゲームを遊ぶ人に、ゲームをあまり遊ばない人にも送る応援歌である。
そのように感じた理由。そして、昨年楽曲が出された星野源の『創造』とリンクさせながら話していきたいと思う。
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それぞれのくだらないものを楽しもう。
この曲の一番の注目するポイントは、明確なサビと呼ばれる所がメロディーの移り変わりが激しいところにある。
明確に一番や二番と呼べるところはなく、言うなればAメロ、Bメロ、Cメロ、Dメロ・・・と流れるがままのメロディーが楽しめる。これこそが前述したスウィング要素も加味してサウンドの展開にワクワクする。
この展開にワクワクする。これこそがゲームの世界観にピッタリ当てはまり、何周してもその音に楽しみを見出すことが出来るまさに飽きがこない楽曲といえよう。
また歌詞の内容も、ゲームの楽しさを歌う内容やポップソングについて歌うと思いきや、それらを全て統合した「娯楽」について歌う歌。
本来「娯楽」というものは必要のないものとされている。その「娯楽」を極めたものを私たちはオタクと呼称し讃えたり、もしくは嫌味たらしく言っていたりもした。
歌詞を一部引用する。
123で愛を込めて もう一生遊ぼうぜ
準備してきたもの全てばら撒いて
そうさどうせ何もかも 全部くだらねえ
若干の皮肉ではあるが、POP SONGというのは世間に流行する流行歌のことを指す。そんな俗な歌だとしても、君は君らしく、くだらなくても歌ってくれと言った米津玄師。
私たちはそんな「くだらないもの」をこよなく愛しており、側から見ても何故そんなものをと言ったものでさえも愛してしまうのが世の常である。
「みんな違って、みんな良い。」
この言葉を米津はこう解釈して、付け足しのではないだろうか。
「みんな違って、みんな変。だから良いんだ。」
これこそが、彼が長年「POP SONG」を追い求めた答えであるし、どのように解釈しても構わない米津の自由なスタイルが確立されたと言える。
さて。
冒頭で星野源の『創造』と対比することで、この楽曲の真の魅力が分かると言った。その答えは非常にシンプルなものである。
米津玄師は「くだらないもの」を愛する、所謂プレイヤーの目線で。
星野源はその「くだらないもの」を作る、所謂クリエイターの目線で。
どちらも両方を賞賛し、これからもその粋で頑張れと感じる応援歌のように私は受け取った。どちらも現代を代表する天性のJ-POPシンガーであり、その二人が、「娯楽」=「くだらないもの」をこの時代に作ったことは正しくシンガーとしての決意のようなものを感じる。
そして、それが任天堂とPlayStationの今のテーマソングである。本当に心から面白いと感じた。それぞれの企業、アーティストは目指しているものは同じであるという点でもだ。
そういうことで、今回の記事はここまでする。米津玄師の今までが好きだったら間違いなく好み、そして驚くこと間違いなしの「ポップソング」は今年のトップソングに入ることだろう。
では、また別の記事で・・・