2010年代の個人的アルバムランキング
今回は2010年代の個人的に好きなアルバムを紹介していく。
今回は2017年から2014年までを一気に。
あくまでも個人的主観が遠慮なく入っていますのでそれがよろしければ。
2017年
5位:デフォルメの青写真/空想委員会
空想委員会3枚目のアルバム。
今までのアルバムはロックを中心とした曲を披露していたが、今作はロック以外にも様々な曲調にチャレンジしているのが非常に特徴的。
1曲1曲の個性が非常に強く出ており特に「私が雪を待つ理由」はストリングスをぜいたくに取り入れた極上のポップスソングになっている。名曲だ。
そしてストリングスを入れた曲はこの曲しかないため一層この曲が輝いて見える。
今までの刺激的な毒ある曲は少なくなっているが彼らが成長している証だと私は思う。個人的な空想委員会の最高傑作はこれ。
4位:Ken Hirai Singles Best Collection 歌バカ2/平井堅
平井堅2枚目のシングルコレクション。今回はその中でも今作一番の目玉である「歌バカだけに。」を紹介しよう。
今作は10人のアーティストが平井堅をプロデュースするという名目で作られた作品である。しかも10人とも名だたるアーティスト。その内容は言うまでもなく圧巻。最初聞くまでは誰がどの曲を作ったのか分からず、それを知った時心底驚いた。
スピッツの草野正宗が提供した「ブランケット」や古内東子の「Dance with you」などどれも芯のある曲ばかり。また、槇原敬之が提供した「一番初めての恋人」は「ANSWER」の続編として「EACH OTHER」よりさらに後の物語を描いておりファンとしてはどれも良かった。
だからこそこれのみを発売してほしかったと思ってしまったのは事実であるが、それでも「ノンフィクション」などの破格の名曲が収録されているので損はさせない一作だ。
3位:HIT/三浦大知
前作「FEVER」から格段にダンスミュージックを高めた一作。三浦大知の名を格段にあげた「(RE)PLAY」や「EXCITE」などの人気曲を収録されている。しかしダンスミュージックと言ってもEDMばかりではなく、「誰もがダンサー」などフェスティバル感あふれるマーチ系も取り入れている。
特に「Darkest Before Dawn」「Cry&Fight」など大名曲が入っているのも魅力。確かに疲れてしまう作品と言ったらそこまでだが、取っつき易く明るいメロディーが豊富にあり一気に聞ける。
また、今作はダンスがとにかく格好よく素晴らしい。そこら辺のダンサーとはあまりにも格が違いすぎる見事なMVを見ることができる。是非そちらも見てほしい。
まさしく勢いのあるアーティストの一人だと言える。
2位:Too many people/ASKA
ASKA渾身の一作。事件後ということもあり評価はだいぶ甘いが、それを抜きにしても名盤だということがわかる。
テーマは「感謝」。一曲一曲に彼なりの感謝の多様性にあふれている。街、ファン、協力してくれた人たちなど自分自身への感謝も含ませている。
テーマ的に重苦しいものもあるが、爽やかな曲やポップでキャッチーな作品もあるのでそこは自身の内省的な部分と言えよう。
アルバムを買うにしては少しばかり高い値段だが、それでも満足させる出来にはなっているはずだ。
また、ASKAは現在月1で新曲の配信を行っている。買うにはクレカのみという少しばかりのハードルがあるが、その中での「虹の花」は名曲なのでぜひ聴いてほしいと思う。
1位:Crying End Roll/indigo la End
前作「藍色ミュージック」から約1年ぶりのオリジナルアルバム。
今作は、ジャケ写のような爽やか音色やコーラスが多く入っている。
前作からしてみると大分「indigo la End」らしさは抜けてはいるが、そういうことは関係ない。単純に自分たちのやりたいことを追求した名盤だ。特に「ゲスの極み乙女。」から好きになった、という人には特に入門にはピッタリだと言える。この作品は気に入るはずだ。
とにかくスカッとした軽さとメロディーの良さはとにかく絶品。川谷絵音のポップサウンドがここぞとばかりに炸裂するアルバムとなっている。
勢いに溢れ、変に凝っているソングもそこまで存在しないアルバムは川谷絵音が今まで作った中でトップクラスだ。
2016年
5位:Fantôme/宇多田ヒカル
宇多田ヒカルオリジナルアルバムとして8年半ぶりの新作。
人間活動期間として2010年から休止をしておりその間にあまりにも宇多田ヒカルの周りで様々な出来事が起きた本作は今までのアルバムの中でかなり濃く生死を描いたアルバム。
母を亡くし自身が母になった宇多田ヒカルの「花束を君に」は名曲そのもの。
宇多田ヒカルのアルバムは全体的に統一感があり暗い印象があるがその中でも暗い。が、どこかこのアルバムには確実に光が射している描写が存在している。
ただ暗いだけじゃないアルバムとしての完成度の高さは圧倒的だ。
後半の曲が少し地味という印象なのは仕方ないが最後になり徐々に豪華になるため聴き易さはある。
4位:醒めない/スピッツ
前作のアルバムから3年ぶりのアルバム。
メンバー全員が50代を突入したことにより前作のように今まで通りのスピッツらしい作品になるかと思えば物凄い勢いでロックにあふれた作品となっている。
まだまだスピッツファンの心が醒めないということで私が初めてスピッツのアルバムに手を出したのがこの作品だったため余りにも印象が違く、戸惑ったが今では結構好きな作品になっている。
シングルはそこまでパッとしなかったがアルバム曲がより良い出来栄えとなっている。特に1曲目の「醒めない」はまさに名曲。今後ともにさらにスピッツに期待が出来る作品だ。
3位:Believer/槇原敬之
21枚目のアルバム。
槇原敬之が自身で第3章の幕開けと言っている作品だが、あくまで幕開け。第3章らしい歌があるが内容は安心安定の槇原らしい作品となっている。
「運命の人」で久し振りのド直球の片思いソングを披露したり2次元の恋から3次元の恋へと頑張る人への応援ソングとして「不器用な青春時代」という第3章の幕開けをイメージできる曲など様々。
13曲(イントロを除けば12曲)だが今まで以上にスラスラと聴けてとても感触が良い。今までの槇原が好みであれば間違いなく今作も好みなはずだ。
2位:Follow My Tracks/やなぎなぎ
やなぎなぎ3枚目のアルバム。
今作はエレクトロな音楽は出来るだけ薄くし、かなり外向けに開放的になったバンドサウンドが鳴り響くのが特徴。
今までのアルバムからしてかなり異色だが内容は充実そのもの。
やなぎなぎの中でトップクラスの人気を放っている「春擬き」やサーカスをテーマにした今までの楽曲の中で開放的というかぶっ飛びすぎている「夜天幕」など内容はポップそのもの。
どこか内向的だったアルバムから外向けになったことで初心者にも入りやすい間口の広い作品となっている。もちろんエレクトロな要素は彼女が作詞作曲をしている1トラック目やアルバム曲の中から数曲取り入れている。
今までらしくはないが、次のアルバムで今までの要素を上手に取り入れた寸分の狂いもない大名盤が出来上がるため今作は必要だったと私は思う。
1位:LIFE/山崎まさよし
山崎まさよしはメヌエットを聞いて完全に一聞き惚れをし、そっからファンになっていった。そんな時に出した「LIFE」は凄かった。
全体的にこのアルバムは温かさに包まれている。最初の「贈り物」から優しい山崎まさよしの声が染み渡って行く。もちろん「Take Me There」などの楽曲は非常にらしさがにじみ出ている。
その1点、ダークな曲が非常に濃いのが特徴的だ。「さなぎ」「カゲロウ」はダークだがそれすらも救ってくれる温かい曲が多い。
映画ドラえもんの主題歌「空へ」が入っているアルバムは久し振りに山崎まさよしを聞いてみようと思え、歌声とメロディーに心が惹かれる作品だ。
心からの2016年の1位を捧げたい。
2015年
5位:REFLECTION/Mr.Children
Mr.Childrenがセルフプロデュース体制になって初めてのアルバム。
今作は{Naked}、{Drip}を合わせていく。
小林武史から離れセルフプロデュース作品になった今作はミスチルがロックバンドであるということを示した一作だ。
{Naked}{Drip}共に1曲目からバンドということを示している。
小林武史の当時のプロデュースは鮮やかなもので小林武史のアレンジの手腕によってミスチルはあの時の落ち目のムードから一気にトップの座を君臨していったが、途中から過剰なまでのアレンジ、例えばストリングスやキーボードの過剰な演出によりミスチルが途中からバンドではなくなってしまった。
そこに僅かながら危機感を覚えたのかミスチルは再びロックバンドとして返り咲いた。この点だけでもこのアルバムは最大級に評価できる。
ただ、バラードに余りにもインパクトが無さすぎるというのが欠点か。何回か聞いてもあのバラードの曲何だっけ?と忘れてしまう。
唯一覚えているのがロッカバラードの「足音〜Be Strong」ぐらいだった。この点だけは残念だった。
4位:青の光景/秦基博
秦基博5枚目のアルバム。「ひまわりの約束」が入っている今作は現行オリジナルアルバムの中でトップの売り上げを誇っている。
さて、そんなアルバムだが「ひまわりの約束」に乗じたアルバムではなく、このアルバムの一部になっているというのが印象的。
全て必要な曲というのは珍しく、派手なアレンジで盛り上げずほぼバンドアレンジになっている。
青の光景という名前から若々しさが味わえるかと思えば、深い青のようなじっくりと聞ける名盤だ。感傷的になったり、まとまったアルバムを聞きたいと思った時これほど丁度良いアルバムはない。
前述した通り派手な曲がないため、地味に思えるが一発聞いただけでも名曲と感じる曲がいくつもある今作は「ひまわりの約束」目当てで購入しても全く損はさせない。
未だ現在、ニューアルバムを完成したという報告が効かないため若干ながら不安だが、彼は非常にマイペースな性格故、なんだかんだ仕方がないことだと思う。
3位:Lovable People/槇原敬之
槇原敬之25年目にして20枚目の記念すべきアルバム。
今作のテーマは「人間と神様の間の天使の視点」らしく色んな可愛らしい人たちを集めたことで近年の槇原の中でかなりラブソングが豊富なアルバムとなっている。
全体的にかなりの統一感があり間にカバーソングがあることで、前半と後半の流れをうまく汲んでいる。これが素晴らしい。
これが気に入ったのか次作のアルバムでも間にカバーソングを置いている。
「言わせてください」で演歌ポップスを披露し強烈なインパクトはあるが、そこまで敬遠するものでもない。
もちろん普通に聞けば、今まで特に大差ない安定して聴けるアルバムだが、そこにある確かな挑戦は素晴らしい。近年の槇原敬之の中で屈指の名盤だ。
2位:MARIO KART8 ORIGINAL SOUNDTRACK/任天堂
2014年にWiiUから発売された「マリオカート8」のサウンドトラック。
正直自身がかなりこのゲームに思い入れが強いため強引にランクインさせた。
マリオカート8は今までのマリオカートと違い全てのコースに全て違う曲を使うという豪華さを見せ、DLC(ダウンロードコンテンツ)でゼルダの伝説、エキサイトバイク、F-ZERO、どうぶつの森のコラボコースで上記の著名な楽曲をアレンジしているというのも非常に憎い。
打ち込み主体の強いゲーム音楽にほぼ全てのコースに生音が使われている豪華仕様には楽曲の本気を見せつけられる。
ゲーム音楽はここ最近異常なまでに注目を浴び、様々なところでフルオーケストラのコンサートをやったり、ゲーム音楽専門のクラブもあるなど幅広く認知されている。
ちなみにこちらは非売品商品のため手に入れられるとしたらフリマ系サイトで転売目的で売られているものしかない。
なので実際に動画サイトなどで聞いていくか、実際に買ってプレイするしか手段がないがぜひ聞いてほしいと思う。
1位:YELLOW DANCER/星野源
星野源4枚目のアルバム。
前回から大きく変わったことは編曲までをも星野源自身で行っていることである本作はブラックミュージックを取り入れたノリに乗れるポップアルバム。
「SUN」で一躍注目を浴びた星野源に死角はなかった。
1曲目の「時よ」から流れるままに圧倒的な気持ちよさでドンドンと最後まで推し進めていく。
「口づけ」「夜」と過去の星野源の要素を見せながらもストリングスを巧みに使い見せつけたポップアルバムは凄まじい。
最近の新人アーティストのアルバムの中でトップクラスの出来を誇っている
俳優業との兼業なのに対し曲はコンスタントに出し続けているがアルバムを出すのが難しい状況なのかもしれないが、頑張って欲しい所だ。
2014年
5位:スキマスイッチ/スキマスイッチ
スキマスイッチ3年2ヶ月ぶりの6枚目のオリジナルアルバム。
セルフタイトルとなった今作は今までのスキマスイッチらしさを出しながらも徐々に進化させていった所謂到達点に相応しい。
一曲目の「ゲノム」から挑戦的だし、個人的に好みな「life×life×life」はサビの韻の踏み方がとても気に入っている。
だからといってとても強い一曲がこのアルバムにはないが、一曲一曲がとても丁寧にアレンジされておりアルバムのトータルで一番完成度の高いアルバムになった。
一番好きなアルバムはと聞かれると他のを選ぶが、それでもこのアルバムは結構好きなアルバムだ。
ここからまた約3年の間オリジナルアルバムを出さないことになるが、ここまでの完成度だったら無理もないなぁと思う部分もある。
4位:YANKEE/米津玄師
米津玄師2枚目のアルバム。
先行での「アイネクライネ」の再生数は1億を超えている今作は決してアイネクライネを中心としたアルバムではない。
どちらかと言えば、ハチ名義のボカロ楽曲のようなテイストが前作「diorama」以上に多く含まれている。
シングル曲とアルバム曲でかなり楽曲の差が出ており非常にバラエティが豊か。
前述したがボカロ楽曲のようなテイストと言ったが決してVOCALOIDが歌っても違和感を感じる。米津玄師が歌わないとダメなんだと思える。
彼を一躍著名にした「アイネクライネ」などの楽曲もあるため、「BOOTLEG」など気に入った楽曲があれば本作を聴くとさらに米津玄師の魅力が分かる。
3位:RAY/BUMP OF CHICKEN
BUMP OF CHICKEN、7枚目のアルバム。
正直、初めてBUMP OF CHIKENのアルバムに手を出した作品のため、前作がどうとかが言えないが、明らかにロックバンドというのを前面に押し出している。
表題曲「ray」は打ち込みだが、ポップな曲で個人的には好きな作品だし、初音ミクとのコラボということで何となく何処かで聞いていた記憶があった。
また、歌詞も実に深いものが多い。「サザンクロス」「友達の唄」はあの時の親しいときの友人を思い出す歌詞でグッとくるものもあり、「firefly」もサウンド面では刺さらなかったが歌詞としてはこのアルバムの中で一番好きだ。
他のアルバムも聞いてみたいと思えた作品だし「天体観測」ぐらいしか知らなかった私にとってこの出会いはある意味衝撃だったかもしれない。
最近配信シングルとして結構な数を出しているためアルバムの情報は分からないが新作のアルバムを早く聞きたい・・・
2位:ポリオミノ/やなぎなぎ
やなぎなぎ2枚目のアルバム。
前作「エウアル」はエレクトロポップス全開の作品だったのに対し、今作はその要素を醸しつつもバンドサウンドが中心となっている。
最初「polyomino -intro-」から「トコハナ」で如何に変わっているか分かるはずだ。さらに後にシングルカットされた「Sweet Track」や「landscape」も前作以上に明るい作風となっている。
このように前作よりもバラエティ豊かになりそのためか内省的な歌詞は身を潜め、少しだけ大人になった歌詞が見受けられる。
もちろんバンドサウンドだけでなく自作曲の「テトラゴン」でのエレクトロポップも活きているし、ピアノバラードの「Rainy Veil」もここだと一際輝いて見える。
さらにTVアニメ「凪のあすから」のED曲の「アクアテラリウム」はやなぎなぎの声の魅力やイントロで不思議な気持ちに包みこまれる名曲だ。
Z会アニメーションのイメージソングの「クロスロード」など著名な楽曲もあるためやなぎなぎを知りたいならば、このアルバムかもしくは次作のアルバムに入ると非常に分かりやすい。
全15曲とボリュームはあるがそれも納得のいくアルバムだ。
1位:魅力がすごいよ/ゲスの極み乙女。
ゲスの極み乙女。のメジャー初アルバム。
内容が11曲で39分という圧倒的なコンパクトさながらそれぞれの曲の個性が強く出ている作品。
最初の「ラスカ」から勢い溢れるサウンドは「魅力がすごいよ」というタイトルに相応しい。シングル曲もさることながらこのようなアルバム曲の名曲の多さにもやはり惹かれるものはある。
特に「列車クラシックさん」のインストは余りにも神がかっている。
最初のインパクトある「ガッタンゴットン」という特徴的なフレーズときしみのあるサウンドから徐々にピアノだけになり陰のメロディーながらも不思議と落ち着きのあるメロディーとなっていく。
そして、それが終わると「猟奇的なキスを私にして」に移る。この展開は余りにも素晴らしい。初めて聞いたとき鳥肌が立っていた。
確かにこのアルバムを聴けば絶対ファンが付くのは当たり前だと思えた。個人的にゲスの極み乙女。の最高傑作は本作で間違いないと思う。
【まとめ】
今回は如何だっただろうか?
2014年、2017年と川谷絵音が携わったアルバムが1位になっていることに今改めて見返して非常に面白いと思う。
2010年から2013年までは少しだけアーティストに偏りがあったと思うが、今回はそうではないと思いたい。2018年、まだ確定はしていないが、自分が聴いてきた中で新人のアーティストが次々に好アルバム入りしている。
いつか消化しないと、年末ブログを書くとき大変なことになるはずだ。
2010年から2013年までの個人的アルバムランキングのリンクを貼って今回は締めようと思う。
ご拝読、誠にありがとうございます。
karonsenpai0912.hatenablog.com