相互な意見がより顕著に
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これまでも、作詞作曲はスキマスイッチ名義ではあった。しかし、大橋が持ってきたデモを常田が修正する。常田が持ってきた曲を大橋が修正して歌い上げる。といった形で、お互いが修正しながら曲を作っているというイメージではあった。(その為、私も大方大橋が作詞、常田が作曲だろうなとインタビューを読む前まで思っていた。)
しかし、休止明けのスキマスイッチは何かが違うというのが分かるはず。ということを振り返っていこうと思う。今回はスキマスイッチが10周年を迎えるまでを軽く振り返っていこう。
曲の評価は(C~S)で場合により(+、-)を付ける場合があるが、あくまで自己でつけた基準なので参考程度に見てもらえると嬉しい。では、さっそく紹介していきたいと思う。
- 相互な意見がより顕著に
- 11th single「虹のレシピ」
- C/W「雫」
- 12th single「ゴールデンタイムラバー」
- 4th album「ナユタとフカシギ」
- 13th single「アイスクリーム シンドローム」
- 14th single「さいごのひ」
- 1st配信シングル「センチメンタル ホームタウン」
- 2nd配信シングル「石コロDays」
- 15th single「晴ときどき曇」
- 5th album「musium」
- 16th single「ラストシーン」
- 17th single「ユリーカ」
- 18th single「スカーレット」
- C/W「トラベラーズ・ハイ」
- 19th single「Hello Especially」
- 終わりに
11th single「虹のレシピ」
2009年5月20日
休止明けのスキマスイッチは分業体制から、本当の意味で意見を交わしあいながら作るようになった。真の詞曲:スキマスイッチとして活動するようになったのはここから。
割とテンポが良い曲調だが、意外に小ざっぱり。その分7分を優に超しており、スキマスイッチの中でも規格外。
歌詞もスキマスイッチの今後の音楽の姿勢を取り入れており、所謂意識表明。今後のスキマスイッチの音楽を表現を説明する時に、真っ先に挙げる曲になるだろう。だからこそシングルにしたのも頷ける。
最初は地味だけど歌詞も相まって味わいがある一曲だと思ったが、聞くにつれて長さと共に癖になり、何だかんだ好きになった曲である。こういう評価の変わり方も休止明けのスキマスイッチっぽいと言えるかもしれない。
(A+)
C/W「雫」
次のシングルに移る前にこれだけは紹介しておきたい。休止中に制作され、NHK教育テレビアニメ「獣の奏者 エリン」のOP曲として起用された。当時の子供だったらスキマスイッチ言えばで、真っ先に上がる人もいるだろう。
民族的な異国情緒が味わえる曲となっており、一発で覚えられるサビ冒頭の「背中にあった翼は~」からインパクト抜群。当時からかなり好印象で、シングルになってるだろうと思ったらまさかのC/Wになってた時はかなり驚いた。
今でも好きな曲だが、確かにこの2曲の中だったら今後の事も考えて『虹のレシピ』に軍配が上がるかなと思われる。実際『雫』をシングルにしたら、ちょっとだけやり辛い部分は増えたのかもしれない。
(A+)
12th single「ゴールデンタイムラバー」
2009年10月14日
TVアニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のOP曲として起用された、ファンキーでアッパーカットな曲。
以前からアルバム曲には打ち込みだけど、生音っぽい楽曲はあった。しかし、本作から意識するように打ち込み系の楽曲が到来。全シングル通しても異色なものと思われる。ただ、絶大な人気を誇っていた「ハガレン」のタイアップ効果は凄まじく、当時の子供からしてもスキマスイッチと言えばで挙がる曲だろう。
とはいえ、歌詞のユニークさは相変わらず。バトルもの系の歌詞かと思いきや、テーマはギャンブル。しかも2番の歌詞で「ロンよりショウコ」と言ってるので麻雀だともわかる。決して賭け麻雀については歌ってないものかと思われるが、そのままカイジやアカギの世界観に持ち込んでも違和感がないのもユニークさの極みだ。
ライブでの起爆剤とも合わさり、異色だが聞き込める。アルバムバージョンではイントロに明確な違いがあるのとも特徴的。
(A)
4th album「ナユタとフカシギ」
2009年11月14日
休止明け、約3年ぶりのオリジナルアルバム。勿論売れることは目標にはしてると思うが、休止前よりかはギラついていない。その傾向は常田真太郎のアフロヘアを辞めたことも関係していると思われる。その中から今回は1曲選出する。
病院にいく
ちょっとだけ物騒でぶっきらぼうなタイトルだが、内容はド直球のミディアムポップ。90年代にあったようなドラムの響き方にもそれは影響してると思われる。
2番の歌詞のファンタジーさは一回置いといて、1番の歌詞の共感性は物凄く高い。調子悪いなぁとか、体が重いなぁとか感じてるときにやっぱり悪寒はするもの。自分自身が体調が悪く、とんでもない数値が出た時にはどんなニュースよりも「信じられない!」と本当に思うものである。
一人暮らしの辛さを体現した歌だなと思って、2番を聞いた時にはひっくり返った。「お前恋人いるんかい!」と。最後に「どんなクスリよりも 一番効くクスリ」は引いたが、安心するポップスと1番の歌詞の共感性は良いのは間違いないと思う。
このアルバムが結構とっ散らかってるからこそ、こういう曲が非常に安心できたというのもある。
(A)
13th single「アイスクリーム シンドローム」
2010年7月7日
アニメ映画『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク』の主題歌に起用された。
夏の暑さにピッタリな清涼感を与えてくれる、アコギの音色が心地よい一曲。友達止まりな関係を描いた切ない一曲を、アイスクリームに。病気とも取れない、胸の痛みをシンドロームになぞらえてかけた一曲となっている。
これがまさかのポケモンのタイアップになっているのが意外だった。多分だが、次の年から新シーズンが始まることも相まって、サトシとヒカリの関係も最後だという事で入れたのだと思う。
子供の時は何にも思わず、大人になって聞くとまさかこういう歌だとは・・・という典型的な歌だと思う。
最初は軽やかな歌ぐらいにしか思わなかったが、毎年夏になると無性に聞きたくなる一曲だ。そして、最後の転調の仕方にズルいと、いつも思わされる。
(S)
14th single「さいごのひ」
2011年1月26日
タイアップなしのガチバラード。スキマスイッチ史上、最も壮大なスケールで描いた愛の歌となっている。アルバムバージョンは一部ストリングスやコーラスをカットして、よりシンプルで壮大に際立たせている。
中々に重い歌に仕立て上げているので当然の如く壮大だが、この時期のとはちょっと違うのも特徴的か。寧ろ前作の『ナユタとフカシギ』収録の『SL9』がスケール感含めて、もっと壮大だったと思う。
1回ぐらいシングルにこういうのがあった方が、より際立つしスキマスイッチもこの系列に手を出すという事は、本当にこの時期は壮大なストバラが流行ってたんだろうなと思い返す。
(B+)
1st配信シングル「センチメンタル ホームタウン」
2011年7月9日
スキマスイッチ初の配信シングル。ファミリーマート『Green & Cleanプロジェクト』プロジェクトソングなどのタイアップに起用された。
休止明けからだが、スキマスイッチは歌詞の詰込みがかなり多いと感じる。その代表例の一つだろう。ピアノを主体としたポップソングで言葉数が多いからかリズミカルで、サビのフレーズは特に気持ちがいい。
正直アルバムの中の良曲ポジションだったので、配信シングルという判断はあんまり間違ってないように見える。だが、如何せんまだ主流ではなかったし、まだギリギリ着うたが世間では通っていたので早すぎたかなと思う。
(A)
2nd配信シングル「石コロDays」
2011年8月13日
NHK Eテレ「中学生日記」の主題歌として起用された。本作の歌詞は中学生の"イマの気持ち"を基に作られたという。
非常に分厚いロックサウンドが鳴り響いており、レアケではあるが違和感はない。その分サビのキャッチーさはキレッキレだし、少し爽やかな感じがたまらない。
中学生特有のモヤモヤした気持ちと大人に対する様々な感情を含んで、願いを届ける様を水切りに使う石コロに例えた一曲。
後に『晴ときどき曇』のC/Wに収録されるが、C/Wの中だったら最高傑作になるまでの完成度だと思う。
(S)
15th single「晴ときどき曇」
2011年9月14日
花王「アタックNeo」のCMソングとして起用された。温かく、穏やかなミディアム系列のポップソング。
日常の風景、特に僕らが見上げた時に見える空は繰り返さずに様々な形に移り変わる。その日々の移り変わりを穏やかな曲調に合わせて歌っているのが印象的で、何度も繰り返し聞いていた。
多分良くあるテーマ、所謂「日々を大切に生きる」はどのシンガーにとっても一度は伝えたいテーマなはず。それを何気なく歌うスキマスイッチのやり方に、彼らの決意が見れて、初めて聞いて感動したのを覚えている。
勿論、その感動はあったし名曲と疑わなかったが、自分の中でTOP5には入らないだろうと思っていた。しかし、ベスト盤やらライブ盤で何回も聞いてるうちに好きになったし、今ではこの曲を聴きたいが為にアルバムを再生するまで。スキマスイッチの中で一番好きな曲は?と聞かれた際にハッキリとこの曲だと言えるまでになった。
特に"Backing Track"バージョンも聞いていて飽きないし、間奏のギターソロも良い味付けだ。因みにこの曲のライブ盤のベストは『TOUR 2016 "POPMAN'S CARNIVAL"』だ。本当に聞いていて最高。是非とも一度は聞いてほしいと思う。
(S++)
5th album「musium」
2011年10月5日
博物館を意味する"museum"と"music"を掛け合わせたアルバム。ここからアルバムのペースがダウンしたり、ライブとしての向き合い方が変わったりと転換点だったりする。この中から1曲選出する。
Andersen
案外この曲について語ってる人がいないので、語ってみる。朗らかで明るい曲調が特徴的な一曲。歌詞やアレンジの展開からクリスマスソングという事も分かる。
久しぶりな冬ソングという事もあって、とりあえず最高だしロマンチックではあるが中々に歌詞が切ない。クリスマスの前日に別れてしまうなんて・・・。そうして一人ぼっちになってしまった主人公をアンデルセンの名作『マッチ売りの少女』になぞらえて歌っている。
兎にも角にもスキマスイッチの冬ソングはレアなので大切に聞いていきたい曲だ。結構大橋卓弥の歌声は冬の感じに合いそうなんだけどなぁ・・・。
(A)
16th single「ラストシーン」
2012年6月27日
映画『臨場 劇場版』のイメージソングとして起用された。本来は『musium』に収録予定だったが、『さいごのひ』と似ていたため外したとのこと。
確かに似てるなと思うしかない、この時期のJ-POPにありがちなストバラ。けどストリングスが引っ張っているような感じはせず、ちゃんと大橋卓弥の声が引っ張っているためそんな食傷気味にならないのは、職人技というべきか。
ただ、やっぱり長いなぁと思ってしまったのは仕方ない事か。何度も聞くものでもないし、印象自体も『さいごのひ』と被ってよく分からないが、タイアップ先の映画とよく合いそうだなと思ったのが第一印象かな。
(B)
17th single「ユリーカ」
2012年8月8日
TVアニメ『宇宙兄弟』のOPテーマとして起用された。全体として圧倒的高揚感溢れるアッパーカットなポップロック。
初期のような『全力少年』らしく、特にサビは一発で聞いて覚えられるのは素晴らしいと思う。訴求力バッチシでこれは否が応にもテンションが上がるサビの「上がって」はまさにインパクトだ。
歌詞も宇宙規模まで行くが、最終的に宇宙すらも突破する。壮大ではなく、スピード感を演出するための宇宙的歌詞だと思われる。アニメのタイアップに沿いながらも、自身の音楽性を更にレベルアップさせるスキマスイッチに、最早脱帽しかないと素直に思えた会心の一曲。
(S)
18th single「スカーレット」
2013年6月19日
テレビ朝日系列「土曜ワイド劇場」の主題歌として、約3年半起用された。ワイド劇場的なものでもあるから、一つの物語が上手く丸まって収まるようなバラードソング。
10年という長い歳月をかけて進化していったスキマスイッチがちゃんと深化していったことも分かる一曲になっている。ゆったりとしていながらも、歌詞もそれなりに大人になってるし、無茶みたいなことはあんまりしていない。
これからも無茶をせずに、進化しながらもスキマスイッチを続けてほしいと素直に願える一曲になったと思う。
(B+)
C/W「トラベラーズ・ハイ」
オリジナルアルバムには収録されていないが、ベスト盤に収録されているため是非ともこの曲は紹介しておきたい。
前年の『TOUR 2012-2013“DOUBLES ALL JAPAN”』のテーマ曲として使用しており、その他にも色々とタイアップが付属された。
軽快なアップテンポな一曲で長さとしては5分強だが、長さも感じずスルッと聞ける。歌詞も当てのない旅をテーマにしてるが、大橋卓弥が昔から好きなミスチルの『Tommorow never knows』を入れたりと(Beatlesだったらビックリだが)、ドライブソングとして快適である。
C/Wとして非常に出来が良くベスト盤にも収録されたのも頷ける良曲。
(A)
19th single「Hello Especially」
2013年7月11日
デビュー10周年を記念して作った一曲。TVアニメ「銀の匙 Silver Spoon」のEDテーマとして起用された。
10周年という記念すべきアニバーサリーなのだが、そんなものを感じさせない能天気な一曲。それはイントロの鍵盤ハーモニカからも感じられることだろう。
というかここまでさっぱりとした曲をシングルに持ってくること自体、ベテランなアーティストとしては本当に考えられないことだと思う。何回聞いても聴き疲れしない非常に安定した良曲で、多分一番繰り返し聞けるシングルの中では本当にトップクラスだろう。
MVでも今まで関わってきた人たちと、ストップモーション映像を通じてやっているため非常にユニーク。改めてスキマスイッチというアーティストの凄さを知った一曲であることは間違いない。
(A+)
終わりに
次の「その3」で終わりとなる。20th single「Ah Yeah!!」から配信シングル「up!!!!」までをレビューしていく。
ここまでやったのは久しぶりだが、中々に楽しいのでまたこういうのもやってみたいなと素直に思える。ということで、次回もよろしくどうぞ。。。
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