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初心者に勧めたい山下達郎のアルバムの聴く順番

ド直球に、衒わずに。

SOFTLY (初回限定盤) (特典なし)

先日『SOFTLY』というアルバムが発売された。山下達郎にとって約11年ぶりのアルバムとなったため、本当にようやく聞けたという感動が強く、今も丁寧に聞いている。

 

そこで、今回は山下達郎という人を知りたいときにどういうアルバムを聴けば分かりやすいのか、ハマりやすいのか。私が聞いた通りに紹介しようと思う。

勿論、生粋のファンだったらこのアルバムの方が・・・と思う人もいるだろうが、ここは初心者にお勧めのアルバムだ。

真正面にド直球なアルバムを紹介しよう。

 

圧倒的訴求力!今が通用する最強ベスト!
『GREATEST HITS!』

正直最初は山下達郎最大の代表作『クリスマス・イブ』が入っている『TREASURE』を紹介しようかと思ったが、今作を最初に紹介せずにその他の山下達郎を紹介せずにはいられなかった。

とにかく、初期の代表曲をこれでもかと詰め込んだスターピース。夏の代表曲の一角でもある『RIDE ON TIME』や『LOVELAND,ISLAND』。演奏力などで一発KO間違いなしの『BOMBER』や『SPARKLE』など今聞いても全く違和感がない。それどころか、今の方が通用するし、今聞いて欲しいベスト盤である。

圧倒的に明るく、シティポップというものはどういう物であるのかこれを聴けば分かるし、山下達郎の訴求力が溢れたベスト盤という名の名盤だ。私の愛聴盤でもある。

ここからどんな作品に進んでも違和感はないが、次に進んでほしい作品はある。それは先に紹介しておきたい。

 

 

感傷に浸れる、晩夏を味わえる企画アルバム
『COME ALONG 3』

COME ALONG 3

COME ALONGシリーズは小林克也のDJによって曲を流すラジオ的な感覚のアルバムとなっており、2017年当時になるまで非公認的な作品であったが、その年をきっかけに公認化。『COME ALONG 3』も制作された。

DJパートも追加され、ラジオ的に楽しめ、夏を楽しめる一作となることは間違いない。勿論『COME ALONG』『COME ALONG 2』などの作品が上質で楽しめることは間違いないが、その2作のアルバムはほとんど前述した『GREATEST HITS!』にて収録されているため、今作を紹介した。

『CHEER UP! THE SUMMER』や『踊ろよ、フィッシュ』など軽快な夏の作品を楽しめる一方で、70年代や80年代前半では絶対に味わうことのなかったコクある夏も楽しめるのもこの作品が優れてる理由である。

『さよなら夏の日』『僕らの夏の夢』『JUVENILEのテーマ~瞳の中のRAINBOW~』などその曲はどれも「あの頃の夏」をしみじみと思いだすものであり、一言で表すと「晩夏」である。前作の爽快な夏を味わったら次はあの頃の夏を体感してほしい。その意味合いを込めて2作目にこれをチョイスした。

それを体感し終えたら、次に山下達郎の新たな予感を味わってほしい。

 

 

そして子供は大人になっていく。
『僕の中の少年』

僕の中の少年 (2020 Remaster)

ここでようやく、オリジナルアルバムを紹介していくがその作品は内省に溢れた作品になっている。正直オリジナルアルバムの最初がこれでいいのかと思うが、前2作を聴いたのなら大丈夫だろうという信頼で紹介していく。

この作品は自身のパーソナル性が如実に出た作品であり、その作品の象徴としてラスト2曲の『蒼氓』『僕の中の少年』が挙げられる。山下達郎の音楽の姿勢や価値観。そして自身の中の少年性を訣別した作品になっている

大半がバラード~ミディアムの流れを系譜しており、シンセサウンドが中心となっている。所謂かっちりとした作品のため、自由な感じではない。だからこそ、歌詞がより強固なものになり響くものであると私は感じる。

前述した『踊ろよ、フィッシュ』や『ゲット・バック・イン・ラブ』などの著名曲もあるため聞きやすさは保証するし、もしかしたらこの作品の方が好きだという人も多いだろう。

パーソナルだが、年齢を重ねると必ずこのテーマにぶつかるし、何よりそのテーマと戦った山下達郎の形跡は壮大なものとなっている。山下達郎の中での必聴盤としてファンに愛される作品のためこの位置に置かせていただいた。

この作品を聴いたら次に絶対聞いて欲しい作品がある。躍動感は欲しいなとそこのあなたにピッタリな作品だ。

 

 

続編希望が後を絶たない、躍動感あふれるライブアルバム。
『JOY-TATSURO YAMASHITA LIVE-』

JOY~TATSURO YAMASHITA LIVE

かっちりとした作品の次は、これ以上に山下達郎の魅力を味わえる作品があるのだろうかと言うべき素敵なライブアルバムだ。

ライブアルバムってちょっと・・・と思っている人こそこのアルバムを聴けば、もうとんでもないアルバムになっていること間違いなしである。

演奏力や歌の上手さは無論。収録曲も昨今シティポップのヒットチューンとしてまず挙げられる『プラスティック・ラブ』のカバーやアン・ルイスに提供した『恋のブギ・ウギ・トレイン』のセルフカバーなど、この作品だからこその魅力も詰まっている。

山下達郎ライブという物にどれだけ情熱を注いでいるのか分かる作品でもあるし、それは今でもそうだ。
余談で私事ではあるが、2018年のPERFORMANCEライブに参加した時は本当に感動したことを今でも思い出す。席の端っこでもあったがそれでも鮮明であったことを今でも思い出す。

このアルバムを聴けば、山下達郎のライブに行きたいこと間違いなしの名盤であることは間違いないし、確かにこれは続編希望の声が続出するはずである。

『JOY2』が早く聞けることを願いながら、最後に紹介する一枚を紹介する。

 

 

生きる事の肯定、やわらかく包み込むポップスの全て。
『SOFTLY』

最後にこの作品を紹介しようと思う。「11年振りのアルバム!」という公式サイトにも、そのキャッチコピーで売られた本作。

内容はこの11年の山下達郎の集大成ともいうべきベスト盤に近い作品。そして、やわらかく包み込んでくれるポップスの傑作であることは今作を聴けば言うまでもないだろう。

また、前作の『Ray Of Hope』からそうであるが、山下達郎の歌詞は生きることを全力で肯定している。まさにそれがポップスの主題であるかのように。

11年という長い間にも木村拓哉主演の「グランメゾン東京」の主題歌でもある『RECIPE』や細田守監督の映画『未来のミライ』のOP・ED曲の『ミライのテーマ』・『うたのきしゃ』など著名な楽曲や名曲も数多く収録されている。

コーラスの巧みな技術やアレンジ力、ミキシングやマスタリングの丁寧さ。そんな技術的なことは言わずとも、このアルバムを聴けばきっと誰もが打ちのめされる。

最後にこのアルバムのハイライトと感じている『コンポジション』の中の一節を紹介してまとめに入らせていただく。

叶わぬ夢は いくつもあった
君と同じに 他の誰かをうらやむ
それも生きてるしるし

 

 

まとめ

如何だったろうか。勿論だが山下達郎の名盤である『SPACY』や『FOR YOU』、『COZY』なども紹介したかったが、今回は奇を衒わずに初心者に向けた作品を紹介していった。

多分、この通りに聴けばあとはどのアルバムから入っても大丈夫だし、そんなのはどうでも良いというのであれば『OPUS』か前述の『GREATEST HITS!』だけでも十分楽しめるはずだ。

山下達郎はそのコーラステクや高い技術力から上級者向けというイメージが強いが、聞いてみれば案外そんなものでもないというのは分かるはずだ。

それでいいのだ。技術的にどうとか、ルーツはこれだとか、有名なライターや音楽をやっている人でもない限り、そんなものでいいと済ませていいのだ。

その聞いていく技術は後で自然と入っていく。音楽ってそういう物だと私は思う。とにかく歌詞とメロディーを中心に聞いていればあなたも山下達郎好きの仲間入りだ。

最後に、この初心者に勧めたいシリーズ恒例となっている、私の好きなオリジナルアルバムをランキング順にして一番のお気に入りの曲を挙げて終わりたいと思う。

 

アルバム:「一番お気に入りの曲」

  1. FOR YOU:「LOVELAND, ISLAND」
  2. Ray Of Hope:「僕らの夏の夢
  3. ARTISAN:「アトムの子」
  4. 僕の中の少年:「僕の中の少年」
  5. MOONGLOW:「永遠のFULL MOON」
  6. SOFTLY:「コンポジション
  7. COZY:「いつか晴れた日に
  8. SPACY:「LOVE SPACE」
  9. GO AHEAD!:「BOMBER」
  10. MELODIES:「クリスマス・イブ」
  11. POCKET MUSIC:「土曜日の恋人」
  12. RIDE ON TIME:「いつか(SOMEDAY)」
  13. CIRCUS TOWN:「WINDY LADY」
  14. SONORITE:「FOREVER MINE」