改めて感じることができる名曲の数々
私が初めてジブリの作品を見たのは多分だが「耳をすませば」だと思う。勿論「となりのトトロ」や「もののけ姫」などの作品も見てきたが初めてはこれだったはず。
ジブリ作品は「思い出のマーニー」以降、新たな作品は作られていないが宮崎駿が今もなお新たな作品を作っているという。完成出来たら是非見てみたいものだ。
そういうことで、今回は「風の谷のナウシカ」から「もののけ姫」までの主題歌・挿入歌をレビューしようと思う。ほぼすべての作品を見たことがあるのでこういうレビューは非常に思い入れがあるレビューになるはずだ。
今まで通り評価は(C,B,A,S)。場合によって(+,-)をつける場合があるがそれはご了承を願う。
今回扱った主題歌集はこちらの「STUDIO GHIBLI SONGS」に入っている曲を扱う。目白押しの曲ばかりなので是非とも見つけてほしい。
それでは、早速レビューに移ろう。
01.風の谷のナウシカ
(歌:安田成美)
「風の谷のナウシカ」のメインテーマソング。サビに「風の谷のナウシカ」と高らかに歌い上げているのが印象に残る。最早言わずと知れたジブリの代表曲。一回聞いただけで誰もが口ずさめる曲を作り上げるのはここから始まっているのかもしれない。
どのジブリのアルバムもこれから始まるということからやはりジブリの原点として、そしてイントロから始まる高揚感は今でも忘れないことだろう。
特に歌詞の「何故人は傷つけあうの 幸せに小石を投げて」という部分は、当時子供ながらにも考えさせられた。
(A+)
02.君をのせて
(歌:井上あずみ)
「天空の城ラピュタ」の主題歌。よく合唱曲で使われるイメージがある。
歌詞の意味はそれぞれ解釈があると思うが、君に逢うために果てしない冒険をするという解釈は共通だろう。また、宮崎駿は「星の王子さま」という小説がとても大好きで、そのテーマも取り込んでいるという。
間奏の美しいメロディは久石譲ならではの冒険をイメージさせられる。
ちなみに、このアルバムではフルバージョンは流れていない。フルバージョンはイントロが長くなっているという違いがある。
(S)
03.さんぽ
「となりのトトロ」のOP曲。小学校の音楽の教科書によく載っているため、ほぼ全ての子供たちは今の時代でもトトロを知っているだろう。
それぐらい、知名度が高い曲ともいえる。歌詞は非常に子供にも分かりやすく「あるこう」というテーマをもとに繰り広げられる。何だかんだ僕らが幼少の頃もこれを歌っていたこともあって思い入れはある。聞いてて楽しい一曲だ。
(A)
04.となりのトトロ
(歌:井上あずみ)
「となりのトトロ」のED曲。サビの「トトロ」という繰り返し言われる言葉はインパクトがある。
この「となりのトトロ」のトトロとはどういうものなのかを優しい曲調で伝えている。
子供ながらに歌詞の「月夜の晩にオカリナ吹いてる」という歌詞が大好きであった。随分ませた幼少期もあったものだ。だけど今でもこの歌詞は大好きだ。やはり、子供の頃に好きだった歌詞は今でも大好きだなということは分かる。
(A)
05.はにゅうの宿
(歌:Amelita Galli-Curci)
「火垂るの墓」の挿入歌。戦争をテーマにした映画なので非常に曲も重め。
この曲の元はオペラ「ミラノの乙女」の中で歌われている曲である。
映画をそこまで見ておらずどこで流れたのか覚えていないどころか、英語の歌詞だったために子供のころはよく飛ばしていた。
歌詞は我が家が一番ということを伝える曲であるのだが・・・やはり映画の内容を知っていると非常に残酷だ。曲は大変に有名なのだが何故かこの曲を聴くと非常に重く感じでしまう。
(B)
06.ルージュの伝言
(歌:荒井由美)
「魔女の宅急便」のOP曲。私が荒井由美を初めて聞いた曲。ジブリのアルバムとしても、今までと打って変わって曲調がガラッと変わるため印象が深い。
歌詞は浮気癖のある夫をどうにかしようと夫の母に会うという、今思えば笑っちゃうぐらいの歌詞だ。そして次の曲もそうだが何十年も経っているのにいまだに変わらない時代を問わない普遍的なアレンジは素晴らしいのほかない。
荒井(松任谷)由美さんを好きになった曲であることは間違いない。
(S)
07.やさしさに包まれたなら
(歌:荒井由美)
「魔女の宅急便」のED曲。ミディアムテンポなバラードで心地よく聞ける。
歌詞に出てくる「神さま」というのは知らないところで愛などを届けてくれた親のことであろう。歌詞の「目にうつるすべての事は メッセージ」は今でも響くものがある。
超有名曲でいまだにこの曲も何十年経とうがいまだにCMでもその普遍的なアレンジを聞くたびに新鮮な気持ちになる。
因みにこの「やさしさに包まれたなら」はアルバムバージョンであり、シングルバージョンは「YUMING BRAND」ぐらいしか聞けない(他のアルバムでもあるはずだが私はこれぐらいしか知らない)。是非見つけたら聞いてみて欲しい。アレンジの違いで多少の違和感はあると思うがやはりこのバージョンも名曲だなと思わせる。
(S+)
(アルバムバージョン)
(シングルバージョン)
08.愛は花、君はその種子。
(歌:都はるみ)
「おもひでぽろぽろ」の主題歌。原曲は「The Rose」歌詞の意味は少し違う。
スローバラードで映画の印象も子供のころは無かったため昔は飛ばしがちだったが、今では大好きな映画、そして音楽の一つ。
「The Rose」では世界における神秘的な「愛」について語っているが、これは訳も少し変え、さらに歌詞を追加している。
名曲には変わりない。
(S)
09.さくらんぼの実る頃
(歌:加藤登紀子)
「紅の豚」のOP曲。この曲が印象薄いのは他でもない、フランス語で歌っているからである。また、ED曲の方が有名なためもっと印象が薄くなる。
歌詞はさくらんぼの実を愛に例えている。英語の歌詞でもないためちょっと敬遠しがたいところもあるかもしれないがイントロが印象深いため聞いてて心地よい。
(B)
10.時には昔の話を
(歌:加藤登紀子)
歌詞は昔の話をする主人公、その昔は全て空しいものだったけど今でも彼はその夢を追いかけているのだろうか、という話である。サビの最後に「そうだね」とつくことで親しみやすさが持てる。
加藤登紀子の渋くも優しい歌声やピアノとストリングスのみのシンプルな構成でメロディーや歌詞をじっくりと聞かせる。
間違いなくこれは名バラードである。映画は難しい話だったかもしれないが今見たら何だがとてもほっこりとしてしまう。
(S)
11.海になれたら
(歌:坂本洋子)
「海がきこえる」の主題歌。ジブリの曲としては少し珍しいラブソングテイストの曲。
歌詞ではいつか自分が穏やかな海のようになったら好きと伝えたいというバラードテイストの曲。純真な気持ちが伝わる名曲である。
余談だがこの話、実は後日談があるという。この映画は本当に名作だったし是非ともそちらも見てみたいもの。この監督の恋愛描写は「めぞん一刻 完結篇」同様凄すぎるので楽しみなものだ。
(A+)
12.アジアのこの街で
(歌:上々颱風)
「平成狸合戦ぽんぽこ」では使われておらず、「ぽんぽこ愛のテーマ」として起用された、所謂イメージソングである。今まで短い感じで続いてたアルバムがここで5分台にも及ぶ長丁場な曲となる。
歌詞では外国人と交流を図る、国際的な歌として捉えられる。歌詞にある「街は毎日さびしいお祭り 夜に迷ってる働き者たち」とどこか胸に突き刺さるものがある。
まぁそれ以上にイメージソングということも相まってかサントラやアルバムでしか聞けないということもあり映画としての曲のイメージがないというのが少し難点か・・・
(B+)
13.いつでも誰かが
(歌:上々颱風)
「平成狸合戦ぽんぽこ」の主題歌。歌詞は友情を歌った歌である。イントロなしで「いつでも誰かがきっとそばにいる」という歌詞は頭から離れない。なぜならこれが10回以上も流れるからだ。
みんなで歌うととても楽しい曲だろう。ただし、カラオケでやるときは要注意だ。これを知らなかった友達が思わず「長ぇよ!」と突っ込まれたのが結構頭に残っている。その時以降余り歌っていない。
(A+)
14.カントリーロード
(歌:本名陽子)
「耳をすませば」の主題歌。原曲は「Country Road」からの「耳をすませば」に合わせた訳の仕方をしている。なので原曲を聴いて歌詞と照らし合わせても全く違う歌詞に驚くだろう。
歌詞は故郷を離れた主人公がこの都会で頑張らなくちゃいけないという思いを馳せた歌詞なのだが、最後で「行かないさ行けない」や「帰りたい帰れない」などと少し怪しげな感じを見せて終わる。主人公は何をしたのだろう・・・?そのことだけが疑問に残り最後にカントリーロードと歌い上げて締めるため、変にモヤモヤするのだがそこがこの曲の良いところだろう。
(S-)
15.On Your Mark
「On Your Mark」の主題歌。私がCHAGE & ASKAを産まれて初めて聞いた曲であり
思い出の一曲であり、このアルバムの中で一番大好きな曲である。
On Your Markの意味は「位置について」だがこの歌詞を見ると「スタートラインに立つ」と、いう意味が正しい気がする。
イントロから溢れる力強さや雄大さに果てしない荒野や草原をイメージ出来、そこにぼんやりと見える二人の男の影。
幼少ながらもそこまでが想像できこの歌をよくまねした本当に思い入れある曲。
J-POPの王道スタイルを幼少のころに聞いたからこそ僕は今でもJ-POPを聞き続けている。この曲に感謝せざるを得ない。
(SS+)
16.もののけ姫
(歌:米良美一)
「もののけ姫」の主題歌。今作のラスト。知らない人はほぼいないだろう名曲。
タイトル通りもののけ姫の映画に合わせて歌っているため歌詞もどことなくアシタカとサンを思い立たせる描写がある。米良さんから出される声は圧巻である。
2番では「Uh~」と歌うだけのだが、何故か知らないが説得力という言葉が持てるほど凄まじい。歌詞なき歌声の力は凄いと思える。
これこそ、ただスゲーと今でも思ってしまう曲の一つだ。
(A+)
【まとめ】
如何だっただろうか。
やはりジブリの曲は思い出補正が余りにもデカすぎる。今回はもののけ姫までお送りしたが次回も思い出の曲ばかりでお届けする。
次回は「ホーホケキョとなりの山田くん」から「借りぐらしのアリエッティ」までお送りしようと思う。
その3は「スタジオポノック」まで入れようか検討中だがとりあえず次のまでは執筆するつもりだ。
では、またどこかで・・・