ありのままに受け止められた
ゲームの曲というのは時に、人の心を揺さぶるために、感動させるために、盛り上げるために、様々なタイミングで効果的になっていた。
時に私は、J-POPなどを深く知る前からゲーム音楽にすごく興味があったし、あの頃の知識は人一倍だったと自負している。
昔から「みんなで決めるゲーム音楽」のスレや結果を見てワクワクしており、今年はこんなゲーム音楽が上位に入ったのかと一喜一憂しながら見ていた。もちろん今も楽しんでみている。
今回は私の思い出に特に残っているゲーム音楽を10曲紹介しようと思う。
若干の偏りがあると思うが、ご了承を願う。
1) Jump Up,Super Star!/Kate Davis
2017年にNintendo Switchで発売されたスーパーマリオオデッセイの挿入歌の一つ。
最近の作品なのだが、やはりこの曲は凄かった。
今までの3Dマリオ、いやマリオシリーズの総決算ともいうべき今回のマリオは、今までの箱庭マリオを踏襲しながらも、開放感あふれた本作はまさしく3Dマリオの最高傑作と言ってもいい。
この曲は冒険の道中に出てくる「都市の国」のイベント「伝統のフェスティバル」の挿入歌。マリオシリーズ初期に出てきたキャラクター”ポリーン”が歌うという感動の演出で、その力の入れようから分かるようなビッグバンドナンバー。
聞いてしまえばどんな人でも明るくなれるようなナンバーで、とにかく爽快。所々FCソフト「ドンキーコング」のメロディーラインも踏襲しておりそこもまた非常に感動できる。
マリオの曲の中でこんなに感動したのは久しぶりだった。
2) 鳥の詩/Lia
こちらは2000年に発売された「AIR」18禁ゲームの主題歌。のちに全年齢対象版も出されている恋愛ゲーム。
とにかくこの主題歌は最高に良く、壮大ながらも聞くとそこには自然が見え、視聴者からは「太陽の光を想起させる」と言わしめるまで。
この曲自体が飛びぬけて有名でこのゲームを知る前までは普通に売れたJ-POPだなぐらいにしか認識していなかった(このころは碌にJ-POPなどを聴いていなかったため)。
それ以外にも様々なところで「国歌」と言わしめるまでにこの曲は有名だ。無論私も当然大好きな曲であり、この曲を聴いて18禁ゲームの偏見なども全部消えていった。
また、この同ゲームの挿入歌でもある「夏影」も大変素敵な名曲。こちらのほうが好きだという方も当たり前のようにたくさんいる。
3) Paxmaveiti[ラフマベティ]-君が僕にくれたもの-/安藤裕子
こちらは安藤裕子が歌う「レイトン教授と魔神の笛」の主題歌。
自慢でも何でもないのだが、私はこの頃のJ-POPの流行りが何がなんだが分かっていなかった。ミスチルの「Sign」や「しるし」までも、この頃のヒット曲が全くといっていいほど興味がなかった。ずっとゲームとゲーム音楽を聴き続けていた日々だった。その時にこのゲームをやりこの主題歌を聞いた。
ストーリーも相まって私は小さな年ながらも涙が溢れ出ていた。枕をあんなに濡らしたのは今でもない。今でもあの事が思い出に残り涙腺にきてしまう。
レイトン教授の中で最も大好きな曲だったし歌詞も今でも鮮明に残っている。あの間奏に流れる鐘の音をいつでも私は憶えている。
4) prime #4507/無限回廊 光と影の箱
これは私が熱中して見ていたサイト「みんなで決めるゲームソングwiki」にて発見した曲の1つ。何とこの曲、1曲丸々約75分という超大作。坂本さんによるとこの曲は「1分を1歳と捉えたら?」を、テーマにプロデューサーに依頼され、作曲している。そのメロディーからどんな人生を歩んでいっているのか分かるという。
ピアノと弦楽器だけで構成された室内楽でシンプルながらも様々な曲調で一切飽きさせない。
歌詞なきメロディーの力が発揮された最強の名曲。この1分1分を大切に聞きながら自分の人生もこうでありたいと思えるような曲を作れる坂本英城さんは天才と思った曲だ。
5) BRANDNEW WAY/GANASIA
ロックマン8のEDテーマ曲。ロックマン8といえば、OP曲の「ELECTRICAL COMMUNICATION」が有名だが、私は人一倍このED曲に思い入れがある。
当時の小室サウンドを彷彿とさせる曲。
君をヒーローのように守りたかったが守ることが出来ずに諦めそうになった主人公と、その主人公に優しく手を差し伸べる友情の歌。
青春や思春期を思わせる描写が鮮明に描かれているのが特徴的。また、新たな道へ進もうとする主人公の描写。幼少の頃のを描いた描写があり、約束があれば新しい道に進みわかれてしまったとしても大丈夫というセンスが本当に素晴らしい。
「争いのはざまでな失くすものあるけれど 約束は今でも二人をつないでいる」という歌詞が大好き。
自分が人生の節目節目で絶対に聴こうとしているのもあるからか、何度も何度も励ましてくれた自分の人生を変えてくれた曲。

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6) 夢のつづき/帝国華撃団
サクラ大戦2~君、死にたもうことなかれ~のEDテーマ。サクラ大戦シリーズといえば、やはり「檄!帝国華撃団」が著名な作品だろう。もちろんサクラ大戦シリーズのその他の楽曲も良い曲は多いが、私はこの曲を聴いたとき感動に打ちのめされていた。
帝国華撃団という大正ロマンを描いた宝塚をモチーフに描いた作品。かつ、この2をもって一旦主人公はこの日本を離れ巴里に向かうというテーマから「別れ」をテーマにしている。なので、華やかだが少し寂しいけど希望に溢れた歌になっている。
「歌をさぁ歌いましょう そして夢の終わり あふれる涙をそっとぬぐって」「歌をさぁ歌いましょう だけど夢はつづく さよならは言わないのまた会えるから」という歌詞が印象的。
夢は永遠にはつづかない。いつか終わってしまう。だけど春はいつも美しく巡るように、私たちは巡り巡って再び会うことができるだろう。
哀しいことに面と向かいそれでも希望をもって送り出す。だからこそ「さよなら」は言わないことを歌にしたこの曲はまさしく帝国華撃団の象徴として今後も語り継がれる名曲である。
7) still alive/Ellen Mclain
PCゲーム「Portal」のEDテーマ。FPSパズルゲームという全く新しいジャンルで挑戦しながらも、その舞台背景やストーリーが異常に面白くのめり込む人が急増していった。私もそのうちの一人である。
そのPortalを支えているといっても過言でもないキャラクター「GLaDOS」が歌うしっとりしたバンドスタイルが特徴的な1曲。
洋楽なのだが、これは是非歌詞を見てほしい。ゲーム未プレイの方は歌詞にゾッとするが、私はこの歌詞に爆笑してしまった。やれば分かるのだが、恨み込み込みな最強の主人公、現代社会、そしてGLaDOS自身の皮肉がたっぷり詰まった歌詞となっている。
「still alive」という意味はまだ生きているという意味なのだが、このゲームを全作品やると意味合いが変わってくるというのも何だかんだ面白い。新しいジャンルを持ってきて尚且つユニークでシンプルな歌を持っていくというのも凄い新鮮だった。
8) メヌエット/山崎まさよし
PS2「ロマンシングサガ ミンストレルソング」の主題歌。OPでは吟遊詩人”エロール”が世界をさすらいながら弾き語りをしているシーンがとても印象的。
これぞ日本の吟遊詩人"山崎まさよし"の真骨頂。エキゾチックでアコースティックな音楽ながらも山崎まさよしの渋くブルージーな歌声がこの曲の為に作られたよう。
このゲームの作曲者"伊藤賢治"も、このアコースティックな世界観がロマサガの世界観に合うとは思わなかった。歌詞のおかげで世界がぐっと広がったとコメントを残している。
MVや歌詞の世界観もそうだが、その一つ一つの情景が浮かんでいく。この果てしない荒野に一人何を思っているのか。どのような愛を伝えているのか。そのようなことを思いこのOPムービーを見つめながら私は山崎まさよしにのめり込んでいった。
私が山崎まさよしを語るときに絶対に外せない一曲となっている。
9) Melodies Of Life/白鳥英美子
PS「FF9」主題歌。私がFFの中で一番好きなゲーム、そして一番好きな曲を挙げるとしたら真っ先に挙げる。
この曲を聴くとき私はFF9のキャラクターを思い聴いている。最後までずっと旅に付き添っていた仲間たち。その仲間たちは何か「生きていること」「命」についてずっと問い続け、思い悩んでいた。
特にその仲間の一人である"ビビ"は特に「生きていること」に問いを投げかけていた。そして、このED。「消えゆく運命でも君が生きている限り いのちはつづく 永遠にその力の限りどこまでも」とその問いに対して答えが出た"ビビ"の運命。ビビはどうなっていったのか。これは、是非プレイしてみてほしい。
白鳥英美子の上質な歌声は、歌詞に力強さを与えてくれる。「人生のメロディー」としてこれからも語り継いでほしい。いや、語り継がないとおかしい名曲中の名曲だ。
10) Dreams Dreams/SEGA
セガサターン「NiGHTS」の主題歌。子供バージョン、大人バージョンと歌声のバージョンが違う。因みに続編のWii「NiGHTS~星降る夜の物語~」においてはWillバージョンとして、大人子供の混合バージョンも存在する。
私は幼少の頃、いとこの人がこのゲームをプレイしているのをただただ眺めていただけだった。そして、ゲームをクリアしこの音楽が流れていた時にいとこは涙をしていた。今でもそのことは鮮明に覚えている。
洋楽であり、全編にわたって英語詞が使われているのだが、その幻想的な音や美しいハーモニーに私は少し歳をとった時に虜になっていった。
サビの意訳を引用する。
君のいる夢は僕が今まで見たことない
光であふれています
光の中にいるとどんな望みでもかないそうな
なんかそんな気持ちになってきます
引用サイト:「The words of DREAMS DREAMS」(http://nights.sega.jp/nights1/snd/dre/words/words.html )
少し大人になりこの歌詞の意味がわかった時、いとこの涙の意味が分かっていた。そして私はいとこ同様、涙を流していた。
美しく幻想的に彩られたイルミネーションを聞いているような楽曲は、洋楽をそこまで聞いていない私にとっても断固として崩れないだろうNo.1ソングとして、ずっとずっと私の心の中に留まることでしょう。
余談ではあるが、続編として出されたWiiの大人バージョンにおいて、実はセガサターン版のNiGHTSの子供バージョンで歌っていた子供が大人に歌っている。そのエピソードだけでも泣きそうになってくる。
終わりに・・・
如何だっただろうか。
ゲーム音楽というものは、普段BGMとして呼ばれておりゲームを彩ってきた。私はこのゲームBGMというものにずっと憑りつかれ、生きてきた。
僕の人生を変えたゲーム音楽はこの10曲だけじゃ済まされない。もっと他にも紹介したいゲームの名曲が山ほどある。
次回このようなゲーム音楽を語る時が来るのなら、ゲームソング中心ではなく、 ゲームBGMもたくさん語っていきたい。
これを見ている人は少ないと思うが、これをきっかけにゲーム音楽という文化に触れてもらえるならばこんなに幸せなことはない。
という文章を書き終え、今回のブログは終了する。では、またどこかで・・・