星野源「アイデア」
新曲が来ることはファンとして嬉しいこと。まずは聞いてみることにした。
そして、この曲を聴き分かったことがあった。間違いなく2010年代のトップアーティストとして君臨した星野源だからこそ判明した今年の音楽の変遷である。
まずはそれを皆様に理解してもらうために星野源の「アイデア」をレビューしたいと思う。
MVで分かる星野源の光と闇
星野源を知ったのは大体の人は間違いなくシングルの「SUN」や「恋」、そしてアルバムの「YELLOW DANCER」である。
MVでは最初に赤色の背景をバックにマリンバを演奏する星野源の姿が映る。
最初私は「あ、YELLOW DANCERのジャケ写の背景に似てるなぁ」と思っていたが、次に出てきた黄色の背景で完璧に察することができた。
そして「Family Song」のピンク、「ドラえもん」の青でサビに移る。
つまり1番では彼が一躍大ヒットしたジャケ写背景を辿っているわけである。
注目したいのがここから。
2番では暗闇で歌っている星野源が映る。
もちろん歌詞にある「おはよう 真夜中」に合わせて歌っているのだが装飾としてある電球のチカチカの演出によりハッとさせられる。
いつ消えてもおかしくなかった命を電球に例える演出は天晴である。
さらに歌詞も「中指」という単語が出てくるのも彼らしさである故だ。
2番のサビでは紅白を完全に意識した背景に間奏ではダンス隊によるパフォーマンスが披露されている。
振付は三浦大知そのもの。さらにこのシーンに三浦大知がいるとのこと。是非探して欲しい。私は見つけるのに相当苦労した。
そしてCメロでこのMVの本当の凄さが垣間見えることになる。
Cメロでは星野源によるギターの弾き語り。初期のスタイルをここで見せることにより完全に今までのアーティストとしての星野源の総決算ということが分かる。
そして最後に白い背景を見せることにより、次回のアルバム、又はシングルで白色の背景を取り入れたジャケ写を取り入れるものだと容易に想像できる。
(追記 11/01)
星野源ニューアルバム「POP VIRUS」が発表されたが、背景は白色だった。予想が完全に当たったと言える。地味に嬉しい出来事だ。
音楽としての総決算
次に音楽だ。
音楽も本当に今までの総決算のような形。1番では生演奏を主体とした「Stranger」からの意志を引き継ぎ、2番でフルに「時よ」などで使われたアナログシンセなどを使って1番と2番でまったく別のアレンジをしているのも特徴的。
そして、先ほども語ったようにCメロで弾き語りをして元に戻る構成。
ここで一番のツボだったのはサビのメロディライン。
「すべて超えて響け」から一旦終わるようなフレーズからさらにまたサビが続いていくフレーズは名曲そのもの。
「恋」に続き後に振り返っても語り継がれるヒットソングが産まれたと確信した。
今年の音楽の変遷
星野源の「アイデア」を聞いて確実に分かったことが一つあった。
きっかけは乃木坂46の「シンクロニシティ」聞いたときである。
生駒里奈最後のシングルとして発売されたこの曲だが今までの楽曲のイメージを高めながらもセンターの白石麻衣がまるで頂点のような輝きを見せておりその時から今年の音楽は何か共通していることがあるのではないかと思い始めた。
そして、このアイデアを聞いて確信した。
2018年はアーティスト達による総決算の年だと。
そう考えると納得できるものが色々と挙げられる。
例えば槇原敬之*5と松任谷由実*6は昔披露されていた曲を歌おうと全国津々浦々と廻ったコンサートツアーをやった。
Mr.Childrenは「here comes my love」や「SINGLES」で今までに見せたロックバンドとしてのミスチルを見せつけて、今年10月にアルバムも発売される。
やなぎなぎも今年1月に発売されたアルバム「ナッテ」で今までの音楽と新しさの共存を見せていた。
さらに欅坂46もシングル「アンビバレント」で今までの欅坂のクールなイメージを最上級なまでに仕上げた楽曲となっている。
他にも様々な例があるがキリがないくらいに様々なアーティストが総決算のようなシングルやアルバムを発売していた。
昨年2017年は不作の年であった。
確かに平井堅の「ノンフィクション」や米津玄師の「BOOTLEG」のような確かな名曲や爆発的に売れたアルバムはあるがそれまでである。
簡単に言えばヒットソングが産まれなかった年。その例として様々なランキングに2016年にヒットした星野源の「恋」やリバイバルヒットとなった荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」が顕著である。
何故その年が不作だったのかは専門の方が詳しいのでそちらに任せるが、今年のような総決算の年は無かったように思える。
確実に新しい何かしらの音楽シーンにおいて劇的な変化が起ころうとしている。
もしかしたら私達でも想像できないようなヒットソングが産まれるかもしれない。
そのように希望に満ち溢れた想像ができるのは星野源の「アイデア」である。
様々なアーティストが様々なアイデアで今後の音楽をさらにより一層盛り上げてほしいと切に願うところで今回のブログは締めようと思う。
ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。